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復帰1年目を“占う”。
~西岡、福留、斎藤、五十嵐の場合~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byNaoya Sanuki

posted2013/03/15 06:00

復帰1年目を“占う”。~西岡、福留、斎藤、五十嵐の場合~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

2009年、フィリーズから千葉ロッテに移籍した井口資仁。以降、2010年の“下克上V”にも貢献するなど、安定した成績を残し続けている。

 '13年のプロ野球における興味深い新戦力として、米大リーグから日本球界に復帰した選手がいる。西岡剛(ツインズ-阪神)、福留孝介(ヤンキース-阪神)、斎藤隆(ダイヤモンドバックス-楽天)、五十嵐亮太(ヤンキース-ソフトバンク)だ。これほど知名度の高い選手が、同じ年に4人も復帰するのは非常に珍しい。

 しかし過去の例を見ると、日本で十分な実績を積んで米国に行った選手が、帰国後、まったく振るわなかったこともある。'11年にアスレチックスから楽天に戻った岩村明憲はまだ32歳だったが、復帰1年目は打率.183、0本塁打、9打点。'12年にヤンキースからオリックスに復帰した井川慶も、復帰した年の開幕時点では32歳だったが、やはり2勝7敗、防御率4.65だった。

 一方で、復帰1年目から活躍した選手もいる。どのような選手が活躍するのか。過去の例から見て、今年復帰する4人は、それに当てはまるのか。この点をじっくり見てみたい。

井口と城島の共通点とは?

 野手の方で復帰1年目に活躍した最近の例は、井口資仁(フィリーズ-ロッテ)と城島健司(マリナーズ-阪神)だ。2人とも米国で4年間プレーして復帰した。別表に示した通り、渡米前年の成績、米大リーグでの通算成績は、非常に似通っている。復帰1年目の成績として、井口の打率.281、65打点はやや低い印象かも知れない。だが出塁率.391はパ・リーグ4番目の数字だったから、十分に評価できる成績だろう。

●米大リーグから日本球界復帰1年目に活躍した選手と今年復帰する選手との比較
選手名 渡米前年成績 米大リーグ成績 復帰1年目成績
井口資仁 '04
(30)
率 .333 本 24
点 89 出 .394
<4> 率 .268 本 44
点 205 出 .338
'09
(35)
率 .281 本 19
点 65 出 .391
城島健司 '05
(29)
率 .309 本 24
点 57 出 .381
<4> 率 .268 本 48
点 198 出 .310
'10
(34)
率 .303 本 28
点 91 出 .352
西岡剛 '10
(26)
率 .346 本 11
点 59 出 .423
<2> 率 .215 本 0
点 20 出 .267
'13
(29)
率 ―― 本 ―
点 ― 出 ――
福留孝介 '07
(30)
率 .294 本 13
点 48 出 .443
<5> 率 .258 本 42
点 195 出 .359
'13
(36)
率 ―― 本 ―
点 ― 出 ――
岡島秀樹 '06
(31)
2勝 4S 20H
防 2.14
<5> 17勝 6S 84H
防 3.11
'12
(37)
0勝 9S 24H
防 0.94
木田優夫 '98
(30)
4勝 16S ― H
防 4.62
<5> 1勝 1S 4H
防 5.83
'06
(38)
3勝 8S 23H
防 3.09
斎藤隆 '05
(35)
3勝 0S 1H
防 3.82
<7> 21勝 84S 40H
防 2.34
'13
(43)
― 勝 ― S ― H
防 ――
五十嵐亮太 '09
(30)
3勝 3S 29H
防 3.19
<3> 5勝 0S 4H
防 6.41
'13
(34)
― 勝 ― S ― H
防 ――
※年齢( )内の数字は満年齢。< >内の数字は在籍年数。木田優夫の復帰1年目は2度目に復帰した'06年

 カギはやはり、復帰前年、つまり米大リーグ最終年の成績にありそうだ。

 成績の中に、本人らしさが出ているかどうか。別表にある通り、井口の場合、'08年は85試合の出場で打率.232だったが、出塁率は「.292」と、打率よりずっと高かった。盗塁も8個で失敗は1回だけ。足は衰えていないことを証明している。城島の場合も'09年は、71試合で打率.247、9本塁打に過ぎなかったが、長打率は「.406」。松井秀喜の米大リーグ通算長打率が「.462」だから、まずまずの数字だ。

 しかし岩村の復帰前年は64試合で打率.173、2本塁打、出塁率.285だった。松井稼頭央(アストロズ-楽天)も復帰前年、27試合で打率.141、出塁率.197と振るわず、35歳で日本に復帰した1年目、打率.260、出塁率.294に終わっている。

 では、西岡と福留はどうか。福留は昨年、わずか24試合の出場で打率.171に過ぎなかったが、出塁率は「.294」と打率よりはるかに高く、持ち味は出ている。また3Aでも43試合に出ており、打率.264ながら出塁率は実に「.429」。打てなくても、選球眼のよさでチームに貢献できることは間違いない。

【次ページ】 斎藤と五十嵐は、木田優夫のようになれるのか!?

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