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「今年は200本以上打ちたい」
青木宣親が得た経験と自信。
~メジャー2年目で立ちかえった基本~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2013/03/13 06:00

1番右翼での起用が濃厚な青木。リードオフマンとして「50盗塁」という目標も掲げている。

1番右翼での起用が濃厚な青木。リードオフマンとして「50盗塁」という目標も掲げている。

 メジャー2年目のキャンプ初日を迎えたブルワーズ青木宣親は、昨季の成績を振り返った際、首をひねりながらこう言った。

「150安打かあ。全然、打ってない気がしますね」

 まぎれもない本音だったが、1年前のメジャー初キャンプでは、そんな具体的な数字が口を突くことはなかった。昨季の162試合を通して培った経験と自信は、それほど大きく、確かなものだった。

 2011年オフ、ポスティング制度で入札されたとはいえ、足元は不安定なままの米移籍だった。'12年1月、キャンプ地アリゾナでトライアウトを受け、控え選手として開幕を迎えた。当初は代打や守備要員としての起用が続いたが、次第に結果を残し始め、5月下旬から常時、外野の全ポジションで出場する機会を得た。その結果、151試合に出場し、打率2割8分8厘、30盗塁。いつしかチームに欠かせない、主力野手としての立場をつかみ取った。

自主トレでは「例年の倍」のトレーニングに励むなど、慢心はない。

 迎えた今季、期待度も役割も変わった。キャンプ初日、キャッチボールの相手は'11年リーグMVPの主砲ライアン・ブラウン。昨季のキャンプでは、どんな相手にも自己紹介をしていたが、今年は若手選手が率先してあいさつに訪れるようになった。練習不足に焦燥感を感じ、連日早出特打を行ない、帰宅後には近隣の公園で黙々と素振りを繰り返していた昨年が、今では懐かしいほどだ。

「挑戦する意識は変わりませんが、首脳陣もある程度は僕の力を分かってくれているでしょうし、去年と比べれば調整しやすいと思います」

 ただ、慢心はない。昨季は終盤にスタミナ不足を痛感したこともあり、沖縄での自主トレでは、1日3000回の腹筋をはじめ、「例年の倍」のトレーニングで体幹を鍛えた。シーズン中のオーバーワーク、162試合の長丁場を経験したことで、体力強化の基本に立ち返った。

「メジャーは休みがないし、去年は回復が付いてこなかった。体を鍛えれば技術と結果につながってくる。200本安打以上は打ちたいですし、そうすれば打率3割も見えてくると思っています」

 23日のオープン戦初戦後。シャワーを浴びた青木は、すぐに帰路に就いた。その足取りは、1年前とは別人のように自信に満ち、落ち着き払っていた。

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