イチローの背中を見て、若手たちは何を感じ取るか。

　つまり、将棋でいえば銀。

　攻めにまわった際は華麗な金将に変身することもあるだろうが、今季のイチローは、これまで以上にいぶし銀の役割を果たす機会が増えるような気がする。

　そんな彼を見て、あるいは彼に触発されて、メルキー・メサ、メイソン・ウィリアムズ、タイラー・オースティンといった若手の有望株がなにを学習するか。

　まだまだ実力は未知数だが、彼らが飛躍的な成長を見せれば、打線の中軸が崩れたヤンキースも、きっと復活の光明を見いだすことだろう。そのためにも、イチローの役割は大きい。

　彼の大リーグでの仕事は、まだまだ終わりそうにない。