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大型ルーキー東浜巨は
ブルペンよりも実戦派。
~王会長、秋山監督が感じた凄み~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/02/22 06:00

大型ルーキー東浜巨はブルペンよりも実戦派。~王会長、秋山監督が感じた凄み~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

開幕ローテ入りを目指す東浜は2月6日に、フリー打撃に登板、順調な仕上がりを見せた。

 ソフトバンクのブルペンは迫力がある。攝津正や大隣憲司、岩嵜翔、寺原隼人、新垣渚、武田翔太、パディーヤら豪華な面々がずらりと並ぶ。そんな中、今季のドラフト1位、東浜巨が目立たない。ルーキーイヤーに8勝を挙げた武田が迫力のあるストレートを投げ込む隣で、東浜は黙々とフォーム固めに取り組んでいる。

 じっと見つめていた王貞治会長は「ブルペンだけを見ていると存在感がないんだ。バッピー(打撃投手)のような投げ方をして……。攝津が入団した時がそうだった。力みのないフォームで球が打者の手元で伸びる。実戦向きのタイプなんだろうね」と東浜を評した。

 秋山幸二監督は、投手を起用する条件として、「球の質などはコーチに任せておけば大丈夫。自分は、打者にとって打ちにくい球を投げているかで判断する」と話していた。東浜については、バッターが打席に立ったとき、ガラリと変わるタイプと評価したうえで、「1年間通して投げられる投手はなかなかいないんだから、(投手陣が)苦しいときにキチンと仕事をしてくれればいい。期待はするけど、計算はしていないよ」と語る。

大学通算22完封の新記録を残した東浜が最優先するのは「勝ち星」。

 亜細亜大のエースとして、“22完封”という東都大学新記録をひっさげて入団した東浜は自主トレ中の1月、リリーフエースだった馬原孝浩のオリックスへの電撃移籍を目の当たりにする。プロの世界の厳しさを知り、いざというときに“必要とされる存在感”の大切さを学んだ。

 投手陣の層が厚いソフトバンクには、二保旭や川原弘之、千賀滉大ら、ブルペンで誰もが驚くような豪快な速球を投げる若手がいる。だが彼らは与えられたチャンスをものにできず、一軍には定着できてない。東浜を“ブルペンでは目立たない”と評した王は、こうも語っていた。

「切れ味鋭い“妖刀の村正”よりも、相手が嫌がる“名刀の正宗”のほうがいい。東浜はマウンドに立てば、相手打者を抑え込んで、いつの間にか二桁勝利を挙げているだろう」

 秋山監督から過剰な期待をされない状態で調整できている今、手ごたえを感じているという東浜。「ブルペンでいくらよくても勝ち星になりませんから」と話すルーキーを見ていると、“勝てる投手になる”可能性を感じた。

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