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米女子ツアーの頂上へ。
宮里美香が歩んできた道。
~初勝利から次のステップへ~ 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph bypushnik photography LLC

posted2013/02/21 06:00

米女子ツアーの頂上へ。宮里美香が歩んできた道。~初勝利から次のステップへ~<Number Web> photograph by pushnik photography LLC

昨季は20試合の出場で、優勝を含むトップ10入り9回、予選落ちは3回と安定していた。

 道なき道を歩くことを、あえて選ぶ人間は決して多くはないけれど、日本の女子プロゴルファーの中で宮里美香はその草分けとなった。

 '04年日本女子アマを史上最年少の14歳で制し、'06年世界ジュニアも制した美香は、ハワイ滞在中のある日、米男子ツアーのソニーオープンを観戦し、世界一のツアーに馴染んでいた今田竜二に憧れた。彼女はすぐさま今田を自分が歩むべき道の道標に据えた。

 次なる道標となったのは台湾のヤニ・ツェンだった。“ジュニア時代からのライバルが米ツアーで活躍しているのだから私だって”。高校卒業後、日本ツアーを経ず、アマ資格のまま何の保証も後ろ盾もないまま渡米。半年後にはQスクール(予選会)を12位で突破し、プロ転向。デビュー戦の'09年SBSオープンで美香は言った。「アニカ・ソレンスタムのように安定感のある、プレッシャーに負けない選手になりたい」

道なき道を歩むうち……増えてきた仲間たちと共に、戦う。

 今田、ツェン、アニカ。次々に道標を立て、その道標に近づきたい一心で歩を進める。そんな作業を根気よく続けた米ツアー4年目の昨年8月、セーフウェイクラシックでついに初勝利を掴んだ。

 日本に帰る場所がない状態で太平洋を渡らせたものは、世界一の舞台で戦いたいというピュアな意欲。そこへつながる道は無かったが、自分で道標を立て、自力で道を切り開いた。一人旅の途上で道連れもできた。ファンが増え、コーチが増え、今年から美香の歩みにはテーラーメイドが加わった。「この飛距離性能とデザインは大きな武器になる」。強い味方を得た彼女は自らの道標を「2勝目、3勝目へ」と高い位置へ移しつつある。

 米ツアーは巨大な峰だ。そこには世界各国から伸び来るさまざまな道や畝があり、そのすべてが巨峰の頂上へ到達しようと勢力を増してくる。世界ランク1位のツェンを筆頭に、チェ・ナヨン、お膝元の米国勢。宮里藍、上田桃子、今季から参戦する有村智恵や上原彩子は日本ツアー出身という意味では美香とは異なる歩みだが、日本を一歩飛び出した先に道が無いのは誰もが同じ。それぞれが我が道を切り開いていくしかない。

 頂点を目指す道の“開拓合戦”は始まったばかりだ。大和撫子たちよ、自分なりの道標を立て、どんどん道を切り開け。

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