森田と伊達に続く3番手の育成が急務！

　層の厚さといい、シングルスとダブルス両方をこなせる選手たちのたくましさといい、総合力に差があったことは否めない。

　日本に「二枚看板」を脅かす選手がいれば、伊達に代えて起用する選択肢が浮上したはずだ。しかし、その有力候補であった土居も経験不足は明らかで、2－1と王手をかけた場面での起用は現実的ではなかった。

　それでも、国別ランキング7位の日本が、3位のロシアに冷や汗をかかせたのは事実。なかでも森田の奮闘は今後のフェド杯、個人戦での活躍に大きな期待を持たせるものだった。

　今季、森田は元世界ランキング1位のアナ・イバノビッチ（セルビア）を破るなど、好調を続けている。全豪の3回戦ではセリーナ・ウィリアムズ（米国）に敗れたが、第2セットは3－0と先行するなど、その足元にしっかりと食らいついた。飛躍の予感は、まさに大会ごとに大きくなっている。2013年は彼女にとって大事なシーズンになるだろう。

　森田と伊達に続く3番手の育成は急務と言える。22歳の森田を柱に、ともに21歳の土居と奈良くるみが脇を固め、切り札として伊達が控える。これが今考えられる理想型だ。

　土居と奈良が森田の背中を追っていけば、日本はいいチームになる。「奇跡」を起こすのは、そのときだろう。

※フェドカップは女子の国別対抗戦。初日にシングルス2試合、翌日は対戦相手を入れ替えてシングルス2試合を行い、最後にダブルス1試合。計5試合で3勝したチームの勝利となる（選手は単複兼ねて出場できる）。なお、世界ランキングは、試合時点でのもの。