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<LPGA開幕直前 独占インタビュー> 宮里藍 「今年こそ悲願のメジャー優勝へ」 

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川野美佳

川野美佳Mika Kawano

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photograph byYasutoshi Fujiwara

posted2013/02/14 06:01

<LPGA開幕直前 独占インタビュー> 宮里藍 「今年こそ悲願のメジャー優勝へ」<Number Web> photograph by Yasutoshi Fujiwara
米ツアーに参戦する女子ゴルファーはみな、彼女の背中を見つめている。
パワーヒッター揃いの強敵とタフなコース、そしてスランプを乗り越え、
アメリカでの地位を築いた、宮里藍の8年目の挑戦がはじまる。

 宮里藍が高校生でミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンに優勝してからちょうど10年が経つ。2人の兄から“弟”と呼ばれていたボーイッシュな少女は10年の歳月を経てつややかなロングヘアとフェミニンな装いが似合う女性に成長した。もう気軽に「藍ちゃん」とは呼べない。

「30までに結婚するって昔は思っていたんですけどあと3年しかなくなっちゃいました。キャディさんに3年ってすごくリアルだけど結婚できるかな? って訊いたら“Time will tell. (時間が教えてくれるよ)”っていわれて……。ハイ、その通りです、みたいな(笑)」

 笑うと途端に“藍ちゃん”が顔を出す。親しみやすいキャラクターと期待を超える活躍で女子プロ旋風を巻き起こした立役者。そして27歳になった彼女は今年米ツアー8年目のシーズンを迎える。

2勝を遂げ、完璧なシーズンの予感が漂った昨年だったが……。

 ここ数年、藍はメンタルコーチのピア・ニールソンとリン・マリオット両女史の拠点であるアリゾナでオフの合宿を行なっている。昨年その現場に出向いたスイングコーチの父・優氏はこんなことを口にしていた。

「アメリカにいってから最高のできばえです。手首の柔らかさを活かした深いためで球を弾くことができている。球の高さも出ているし、弾道が強いから飛距離も出る。パーフェクトな仕上がりです。不安はない。期待しかない」

 父の言葉は的中し、昨シーズンの藍は序盤から好成績を連発した。初戦のホンダLPGAタイランドでいきなり世界ランク1位のヤニ・ツェンとデッドヒートを演じ、単独2位で発進すると、4月のLPGAロッテ選手権では4年連続となるシーズン1勝目を挙げた。さらに7月にはウォルマートNWアーカンソー選手権で、2勝目をついに手にしたのだ。

「2勝はやっぱり大きかったですね。毎年勝ち続けるという自分の最低限の目標もとりあえずクリアできました」

 完璧なシーズンの予感。そのまま勢いに乗って「一番欲しいメジャー」である全米女子オープンを戦うはずだった。しかしメジャーの壁はやはり厚かった。絶好調で挑みながら難コースを攻略しきれず、終わってみれば28位タイ。そしてこの大会をきっかけにシーズン前半の勢いは消え、藍の逡巡が始まった。

【次ページ】 宮里藍の強みは飛距離ではなく、精度の高いショット。

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