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レイカーズを奮起させた、
コービーの本気の言葉。
~“後継者”D・ハワードへの期待~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/02/09 08:00

コービーは7歳年下のハワードを自分の後継者と明言。培ってきた技術や知識を教え込む。

コービーは7歳年下のハワードを自分の後継者と明言。培ってきた技術や知識を教え込む。

 強いチームを作るためにチームワークや協調性が大事だと言う人は多い。しかしコービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)は違う。ブライアントに言わせると、大事なのは「衝突を恐れない空気」なのだという。

 ブライアントは言う。

「衝突することや不和になることを恐れ、問題を避けて通るようなチームにはいたくない。衝突する経験なしには、本当の一枚岩にはなれないのだから」

 これは、経験から学んだことだった。若い頃から自信満々で生意気だったブライアントは、かつてのチームメイト、シャキール・オニールや、元ヘッドコーチのフィル・ジャクソンと何度もぶつかった。怒鳴り合い、修復不可能と思うほど関係が険悪になったこともあった。しかし衝突を乗り越えた後には、より強い絆を築くことができた。それが5回の優勝(オニールとは3回)の原動力となった。

本音をぶつけあうミーティングをきっかけに、変わり始めたレイカーズ。

 昨夏に大型補強で戦力を揃えたレイカーズだが、シーズン前半は連敗続きで成績は5割を大きく下回り、優勝どころかプレイオフすら遠ざかる苦しいシーズンを送っていた。ヘッドコーチの入れ替えや、故障で主力選手が長期離脱したという事情もあった。と同時に、今のチームはまだ本気でぶつかり合っていないとブライアントは思っていた。特に、自分の引退後にチームを率いる選手として期待するドワイト・ハワードは、衝突を避け、笑いでその場をしのぐタイプだっただけに、本音が見えなかった。

 1月23日昼、低迷からの打開策を話し合うチームミーティングで、ブライアントはハワードに本心をぶつけ、問いただしたという。2人の間だけでなく、スティーブ・ナッシュ、パウ・ガソルらもチームメイトたちに思いをぶつけた。

 このミーティングを境にレイカーズは変化の兆しを見せている。強い語気で言い合う場面もあるが、チームメイトの言葉ひとつひとつに敏感になることはなくなり、小さいことで崩れる脆さは消えた。チームとして戦うようになり、その結果、強豪オクラホマシティ・サンダー戦などの勝利にむすびついている。

「あのミーティングはチームみんなにとってプラスだった」とハワードは言う。

「僕らの思いはひとつ、優勝バナーを飾りたいんだ」

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