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ランナーが1000万人突破!
“ブーム”を超えた背景は。
~なぜ40代男性は走るのか?~ 

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byAtsushi Kondo

posted2013/02/03 08:00

ランナーが1000万人突破!“ブーム”を超えた背景は。~なぜ40代男性は走るのか?~<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

東京マラソンは昨年11月に「ワールド・マラソン・メジャーズ」へ加盟。どう発展を遂げるか。

 私たちは、なぜ走るのだろう――。

 市民ランナーが急増しているという実感がデータでも明らかになった。

 笹川スポーツ財団の調査によれば、昨年度、年1回以上ランニングを楽しんだ成人の数は推計で1009万人に上る。'98年の調査開始以来、初めて1000万の大台を突破した。この空前のランニングブームはいかにして起きたのか。

 調査結果を精読すると、'06年を起点にしてラン人口は右肩上がり。その翌年に第1回東京マラソンが開催されたことを思えば、同大会がブームの火付け役になったことは間違いない。2月24日開催予定の「東京マラソン2013」では申込者数が30万人を超え、過去最高となった。

 若い女性がカラフルなウェアを身にまとい、皇居周辺を走るなんてこれまでには想像もできなかった姿だ。次々と女性ランナー向けの商品が開発され、「美ジョガー」なる新語が生まれるなど、今回のブームの牽引役は女性だと思われていた。だが、性別ごとのデータを見ると、むしろ増えているのは男性の方で、たとえば週2回以上のラン実施率は40代男性が10.1%とずば抜けて高い。この数値は何を物語っているのだろう?

'70年代中ごろにも、中年男性によるランブームがあったが……。

 実は過去にも同様のランブームがあった。以前、話を聞いた月刊『ランナーズ』編集長の下条由紀子氏によれば、'70年代中ごろに中高年の男性がこぞって走り始めた。会社員の働き過ぎが問題になり始めた時代で、手軽な運動であるジョギングが大流行したのだ。「残念ながら心臓麻痺で亡くなる人もいて、この盛り上がりはいったん沈静化した」が、今回は当時を凌駕する盛り上がりである。

 週1回以上走るランナーが推計572万人に達したというデータを見るに、この現象はもはやブームを超えたといって良いだろう。'90年代以降の日本経済は下り坂に入り、かつてのモーレツ社員は姿を消して、ライフスタイルも多様化した。だが何より前回との違いとして大きいのは、多くの人が走る“楽しさ”に目覚めたことだ。単に健康のためではない。フルマラソンを楽しんで走る人々、とりわけ女性ランナーの笑顔が、走ることの醍醐味をオジさんたちに気づかせたのである。

 感動はさらなる感動を呼び、走る輪が広がっていく。ラン人口が今後、ますます伸びていくのは必定と言えよう。

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