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福原愛の初連覇&丹羽孝希の台頭。
卓球男女、リオへの勢力図を占う。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2013/01/27 08:01

福原愛の初連覇&丹羽孝希の台頭。卓球男女、リオへの勢力図を占う。<Number Web> photograph by AFLO

初優勝した昨年に続く2度目の日本一に輝いた福原愛。決勝で対戦した石川も「ロンドン五輪の後、3カ月も休んでいたのにすごいなと思った」と脱帽していた。

男子は高校生の丹羽孝希がエース水谷を倒して初優勝。

 一方、男子シングルスは、女子同様、ロンドン五輪代表の丹羽孝希と水谷隼の決勝となり、18歳の丹羽が初優勝を遂げた。高校生での優勝は史上3人目のことだ。

 丹羽はロンドン五輪の団体戦準々決勝、香港との対戦で、第3試合のダブルスに敗れ、2勝2敗で迎えた第5試合のシングルスでも得意とする速攻を効果的に出せず、1-3で敗れた。

 初の五輪出場だった丹羽を、周囲は決して責めることはなかったが、当人は「日本を背負っての試合で負けてしまい、本当に悔しいです」と責任を感じていた。そして大会後はドイツに渡り、修行に励んできた。また、課題としてきた筋力アップも図ってきた。

 その効果か、スマッシュのパワーが増し、もともと得意とするチキータ(バックハンドの変化球)にも磨きがかかり、日本のエースである水谷を倒しての優勝までをものにした。そこにはオリンピックを機に、一歩成長した姿があった。

2016年のリオ五輪へ向けての戦いは始まったばかり。

 女子は福原、石川が第一人者である姿を見せ、今後も両者が中心となっていくことをあらためて感じさせた。彼女たちに続くべき選手、例えば昨年12月の世界選手権代表選考会でロンドン五輪代表の3人がいない中1位となった20歳の森薗美咲、2011年の世界選手権代表である18歳の谷岡あゆかがともに不調だっただけに、なおさらそう感じざるを得なかった。

 男子は丹羽の成長が何よりも収穫だ。水谷に続く柱ができることになる。

 まずは5月の世界選手権が大きな目標となるが、2016年へ向けて、新たなスタートを切った全日本選手権だった。

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