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中島裕之が実現した
WBC発メジャー行き。
~新たなMLB移籍の形が確立!?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byAFLO

posted2013/01/15 06:00

背番号は西武時代と同じ「3」。入団会見ではビリー・ビーンGMの隣りで笑顔が弾けた。

背番号は西武時代と同じ「3」。入団会見ではビリー・ビーンGMの隣りで笑顔が弾けた。

 西武から海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していた中島裕之が12月18日、アスレチックスと正式契約を交わした。地元オークランドで行なわれた記者会見では、積年の思いを語った。

「プロ野球に入ったときは内野手じゃなかったけれど、こつこつやって大リーグに来られるようになった」

 プロ入り後に投手から遊撃手に転向した中島にとって大きな転機となったのは、2009年の第2回WBCだった。大会中に発熱して数試合欠場したものの、「2番遊撃」として打率3割6分4厘の活躍。日本の2連覇に貢献しただけでなく、メジャー挑戦の思いをさらに強くしたという。

 WBCをキッカケに、メジャーを意識するようになったのは、中島だけでない。ダルビッシュ、青木、岩隈をはじめ、多くの日本人選手が、WBCでメジャーリーガーとの直接対決を経ることによって、それまでの「夢」を現実的な「目標」に変え、海を渡るようになった。

 各球団にとっても、今やWBCは選手調査の絶好の機会となった。実際、アスレチックスのビリー・ビーンGMは、中島について「2011年のポスティング前から調査していた」と、WBC後の早い時期から獲得リストに入れていたことを明かした。WBC期間中、ネット裏には全30球団のスカウト陣がズラリと勢ぞろいする。チームによってはGMクラスが直接視察するケースも少なくない。

侍ジャパンの現役メジャーリーガー不在はMLB球団にとって大歓迎。

 もちろん、彼らの狙いは、新戦力の発掘にほかならない。日本だけでなく、韓国、台湾、豪州など、普段はめったに見られない選手達のプレーを一斉にチェックできる機会だけに、真剣度も極めて高い。

 今回の侍ジャパンは現役メジャーリーガーが不在だが、メジャー球団にとっては意に介することではない。1人でも多くの「メジャー予備軍」を視察できるとあれば、むしろ大歓迎に違いない。既に、楽天・田中、広島・前田健、巨人・坂本らの名前は、多くのチームが調査リストの上位にランクしていると言われる。つまり、近い将来、メジャー挑戦を視野に入れる選手にとっては、またとないアピールの場となる。

 WBCからメジャーへ。

 日本人メジャーの誕生パターンは、2013年の大会でさらに確立されそうだ。

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