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「すべて勝つことを目指す」
W杯に向けたエディの決意。
~“幸運の組”ムードへの戒め~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2012/12/30 08:00

エディ率いるジャパンは、来年6月に国内でウェールズとテストマッチ2試合を開催予定。

エディ率いるジャパンは、来年6月に国内でウェールズとテストマッチ2試合を開催予定。

「スバラシイ」

 エディ・ジョーンズHCは、ニヤリと笑うと、日本語でそう言った。12月6日の日本代表欧州遠征総括会見で、2015年W杯の組み合わせについて聞かれたときのことだ。

 W杯の組み合わせ抽選会は3日、ロンドンで行なわれ、インターネットで世界に生中継された。日本が入るはずのアジア1位は、'15年の本大会ではB組に入り、南アフリカ、サモア、スコットランド、そしてアメリカ大陸2位と戦うことが決まった。エディは遠征の後も欧州に残り、その抽選会に立ち会ってきたのだった。

「選手もエキサイトしている。もちろん、まず予選を突破しなければならないけど、南アフリカと対戦できるのは素晴らしいチャンス。サモア、スコットランド、もう1枠はアメリカかカナダか……どの相手にも、勝てない理由はない。ジャパンは'15年W杯までに戦う30のテストマッチを、すべてW杯でこの4チームに勝つために使う。全体を見れば、日本はいいプールに入ったと思う。間違いなくA組よりいいね(笑)」

アジア1位の座を手にすれば戦いやすそうなB組も、気を緩めずに。

 A組はオーストラリアとイングランド、ウェールズ、オセアニア1位(フィジーが有力)がひしめく。昨年のW杯で4位、今年の6カ国対抗で5戦全勝優勝を飾ったウェールズが、11月に地元でアルゼンチン、サモアに不覚をとり、抽選会の時点で世界ランク9位まで下降。シード順で第3グループに落ちたことに加え、抽選の悪戯もあいまって誕生した『死のプール』だ。それに比べ、日本の入るB組は、確かに戦いやすく見えるが……。

「相手は関係ない。日本が自分たちの戦い方を作り上げられるかどうかだ」

 会見後の囲み取材で、エディは一転、厳しい顔を見せた。「楽しみな」という感想を「戦いやすい」と解釈されそうな気配を戒めるような強い口調だった。

「私は決して目標を『2勝』とは言わない。それは、最初から2つ負けるつもりで臨むことだからだ。困難でも、すべて勝つことを目指す。世界のどこの国よりもハードワークをしてW杯に備える」

 最後には、昨年のW杯でオールブラックス戦で主力を温存し『捨て試合』を作ったカーワン前HCへの皮肉までのぞかせた。欧州遠征を終えた反骨の指揮官は、もう次のターゲットを見据えている。

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