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40代の奮闘と20代の停滞で
感じる日本男子への危惧。
~賞金王・藤田が憂うゴルフ界~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2012/12/31 08:00

初の賞金王を始めゴルフ記者賞や最優秀選手賞など5冠を獲得。今季は藤田の年となった。

初の賞金王を始めゴルフ記者賞や最優秀選手賞など5冠を獲得。今季は藤田の年となった。

 2012年の男子ツアーは、43歳の藤田寛之と44歳の谷口徹が賞金王争いをし、藤田が王座についた。

 プロ21年目で初の賞金王に輝いた藤田は、「43歳の僕が賞金王になるようなツアーではダメだ」と、痛烈なメッセージを発し、2位の谷口は「韓国選手対藤田・谷口では寂しいですよね」と、若手の奮起を促すコメントを吐いた。

 確かに、今季の男子ツアーは盛り上がりに欠けた。

 藤田が指摘するように、20代の池田勇太や石川遼たちが精彩を欠いたこと、そして最も脂が乗って暴れまくらなければならない30代選手たち、谷原秀人や宮里優作が1勝もできなかったことなど、世代の断層が顕著だった。

「メジャーに挑戦するようになって、自分が世界でどの程度のレベルにいるのか知りたいという気持ちが湧いてきた。最初は、チャンスだからメジャーに出てみようという気持ちだったけれど、ここ3年ぐらいは、毎年、自分の実力と世界との差を測ることで、じゃあ、次は、もっと上に、という気持ちに変わってきたんですよ。

 特に全米オープンでは、それを実感します。マスターズは、それと同時に、招待された選手たちに対するリスペクトと最高のパフォーマンスを見せなさいという空気がたまらないですね」

20代、30代の男子選手から世界への挑戦意欲が感じられない。

 藤田のこの言葉を聞いて、ふと最近の日本選手たち、特に20代、30代の彼らに、世界へ挑戦しようという気概が感じられないと思った。小さくまとまってしまって、むき出しの闘争心も挑戦意欲も伝わってこないのだ。

 女子に目を向けると、来季は有村智恵が予選会に合格して米女子ツアーに挑戦する。彼女は「2016年のリオ・オリンピックに出たい」という大きな夢を抱いている。現状、世界ランク19位の有村は、オリンピック出場の規定(世界ランク15位以内かランク外の選手で各国上位2名)を満たすために、ポイントを獲得しやすい米女子ツアーを選択した。

 男子でも石川が来季から米ツアーに挑戦するが、有村のように世界へ、オリンピックへという夢や目標を口にする日本男子がもっともっと出てきてもよいのではないか。このままだと日本の男子ツアーは、絶滅危惧種になりかねない。

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