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藤川球児の大型契約は、
日本人ブランド復権の証。
~ダル、黒田、上原の活躍が契機~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2012/12/26 06:00

藤川球児の大型契約は、日本人ブランド復権の証。~ダル、黒田、上原の活躍が契機~<Number Web> photograph by AFLO

 阪神からFA宣言し、メジャー移籍を目指していた藤川球児投手のカブス入りが決まった。12月7日、本拠地リグレーフィールドで行なわれた入団会見では、新背番号「11」のユニホームに袖を通し、夢が実現した喜びを噛みしめた。

「熱意を感じました。チームの立て直しに必要だと言ってもらいました」

 期待の高さは、2年総額950万ドル(約7億6000万円)の好条件が物語る。というのも、数年前までは、メジャーで実力を発揮できない日本人選手がいたこともあり、米球界内に日本人市場への参入に慎重な傾向があったのも事実だった。その一方で、ダルビッシュ有が1年目から16勝を挙げたほか、黒田博樹、上原浩治らが安定した成績を残し続けたこともあり、即戦力となる日本人投手への信頼度が見直され始めていた。

 実際、カブスの首脳陣は、早い時期から藤川の調査を進めていた。エプスタイン社長、ホイヤーGMは、レッドソックスに所属していた当時、松坂大輔、田沢純一らの調査と並行して藤川の動向にも注目していた。2008年、日本で開幕戦を行なった際には、練習試合で直接視察。同GMは「すばらしい経歴の持ち主。セットアッパーとしてもクローザーとしても活躍してきたし、役割に関してはまったく心配していない」と、早くも試合終盤を任せる考えを明かしていた。

市場調査がより緻密でシビアになってきた時代につかんだ好条件。

 今回、藤川に対しては、カブスのほか、エンゼルス、ドジャース、ダイヤモンドバックスなど、日本人市場に深いネットワークを持つチームが、本格的に獲得へ動いた。日本で残した数字や映像だけで判断することなく、いずれも複数の編成担当者が日本へ出向き、直接、プレーを見たうえで獲得方針を固めた。

 かつて野茂が先駆者となり、その後、佐々木、イチローらが活躍した直後は、「日本人ブランド」がもてはやされ、高額契約でメジャー入りする選手も少なくなかった。だが、時代は変わった。ドジャースの編成担当が「実力さえあれば、日本人だろうが、ラテン系の選手だろうが関係ない」と話すように、市場調査はより緻密でシビアになってきた。

 そんな中での好契約。来季、藤川が期待通りに実力を発揮できれば、日本人市場への注目度が、再びアップすることになりそうだ。

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