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年末恒例ベストアワードで、
振り返る怒濤の2012年。
~今宮純が選ぶF1トピックス~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byGetty Images

posted2012/12/24 08:00

年末恒例ベストアワードで、振り返る怒濤の2012年。~今宮純が選ぶF1トピックス~<Number Web> photograph by Getty Images

アロンソはドイツGPで、雨が降りしきる悪条件ながら予選1位を獲得。決勝でもポールトゥウィンでシーズン3勝目を飾り、ドライビングテクニックの高さを遺憾なく発揮した。

 稀に見る激戦の年だった。理由は主に3つ。まず、昨年の一部トップチームがアドバンテージを誇った排気流利用・空力システムなどが新規定で制限された。また、ピレリ・タイヤの特性がデリケートでコンディションによって意外な展開も誘発。そして、シーズン中のアップデート・テストが自由にできず、実戦下でそれに追われたことだ。優勝チャンスは広がり、ドライバーズ・レースが増えて“スポーツ性”が高まった。

 今年のシーズンアワードは、恒例の「ベスト10ドライバー」ではなく、趣向を変えて多角的に選考する。ベスト・ドライバーにはF・アロンソ、'12年の顔としてはS・ベッテルをセレクト。最速マシンではないフェラーリで2回のPP、3勝、表彰台合計13回は、純粋な意味でアロンソのドライビング能力による。ベッテルは進化したレッドブルで後半4連勝、25歳でのV3達成。'91年A・セナの記録と並ぶ3冠王誕生は後世まで残る偉業だ。

147回のオーバーテイクを数えた最終戦・ブラジルGPがベストレース。

 最多7回PP獲得のL・ハミルトンはタイムアタック能力がずば抜けていた。K・ライコネンはアブダビGPのスタートダッシュを完璧に決め、復帰18戦目で8人目の勝者に。マルシアの新人C・ピックは最終戦で入賞まであと2歩と迫り、大きなミスが全くなかった。小林可夢偉は日本GP3位、予選2位、最速ラップ樹立など自己ベスト更新で存在をアピール。そのザウバーに移籍が決まったN・ヒュルケンベルグは後半に連続入賞。アロンソを支援し、時に犠牲バント的レースをしたF・マッサの貢献度も評価したい。

 WECトヨタで走ったA・ブルツは、ウイリアムズの8年ぶりとなるマルドナードの勝利をコーチ役として導いた。引退を発表したM・シューマッハーはモナコGPの幻のPPタイムがすばらしい。

 レッドブルのRB8・ルノーは後半のアップデートの積み重ねによって最速の座を防衛。一方、空力ニューアイデアを打ち出してきたのがザウバーで、C31のシャシーはトレンドセッターとなった。延べ957回ものピットストップが敢行された今季、最速タイムはマクラーレンの2.31秒。だがミスも多く、平均値ではフェラーリが健闘。最後に'12年ベスト・レースは雨の決戦ブラジルGP(オーバーテイク147回!)。怒濤のシーズンを締めくくるいいレースが見られた。

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