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さすらいのリベロが
トルコリーグを選んだ理由。
~佐野優子33歳、3度目の海外移籍~ 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

PROFILE

photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2012/11/27 06:00

さすらいのリベロがトルコリーグを選んだ理由。~佐野優子33歳、3度目の海外移籍~<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

  ロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレーのリベロ・佐野優子が、トルコリーグの強豪ガラタサライに移籍し、現役を続行することを発表した。

「またちょっとお腹がすいちゃって」と33歳の守護神は笑う。

「真剣にバレーをやるのはロンドン五輪が最後と思ってやっていたし、五輪後は『もうバレーはお腹いっぱい』って感じでした。でも日に日に達成感がどこかに行っちゃって、もう一度やりたいなと。こんなに変わるなんてビックリです」

  トルコ1部リーグへの移籍は昨季の狩野舞子や今季ワクフバンクに移籍した木村沙織に続き3人目。ここ数年、資金力のあるトルコのクラブは各国代表の選手や監督を集め、女子バレーはイタリアのセリエAに代わりトルコリーグが最高峰と言われるようになった。各国の強豪クラブが集う欧州チャンピオンズリーグでは過去2年トルコ勢が優勝している。ガラタサライには既に外国籍選手が多数所属するため、佐野は外国人枠のないチャンピオンズリーグのみに出場。リーグは10月に開幕したが、佐野は「途中からでもいいから」と誘われ、11月末にチームに合流する。佐野にとってはフランス、アゼルバイジャンに続く海外。フランスのカンヌでは、チャンピオンズリーグで準優勝しベストリベロ賞も獲得した。

「“挑戦”と言われるのがすごく嫌」と語る佐野の、ごく自然な選択。

「私、海外に行くことを“挑戦”って言われるのがすごく嫌で」と佐野は言う。佐野にとっては特別なことではなく、ごく自然な選択だからだ。

「ただ日本より海外の方が得るものが多いと思うから、海外を選択するだけ。初めて出会う選手と初めての環境でやれば、バレーに限らず絶対何か得るものがある。年を重ねながらいろんなものを吸収したいんです」

  佐野はマンネリを嫌い、常に新しい環境を求めてきた。多くが企業チームからなる日本のVリーグよりも、海外のプロリーグの方が肌に合う。今季国内からのオファーもあったが、佐野の選択肢には入らなかった。「海外の方がスポーツとして扱ってくれている感じがして、やりがいがあります」と言う。

  現役生活の終着点をどこに置くのかは、まだ定めていない。「先のことはトルコに行ってから整理したいですね」。吸収したいという欲求がある限り、守護神はコートに立ち続けることだろう。

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