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昨春から低迷が続く
近畿勢の逆襲はなるか。
~PL学園・吉川ら、要注目の逸材~ 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/06/28 06:00

昨春から低迷が続く近畿勢の逆襲はなるか。~PL学園・吉川ら、要注目の逸材~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 近畿勢のベスト8進出がゼロだった今春の選抜。古豪・強豪が揃う同地区にとっては、'83年以来実に27年ぶりの屈辱だった。これが「春の珍事」と片づけられないのは、'09年春以降、近畿勢の甲子園での低迷が続いているからだ。

 北海道、東北、関東、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州の9地区に分けて、'09年選抜以降の成績を調べると、次のようになる。

  (1)東海  20勝8敗(.714)
  (2)九州  21勝15敗(.583)
  (3)北信越 10勝9敗(.526)
  (4)東北  13勝12敗(.520)
  (5)中国  9勝11敗(.450)
  (6)近畿  16勝20敗(.444)
  (7)北海道 3勝4敗(.429)
  (8)関東  15勝22敗(.405)
  (9)四国  3勝9敗(.250)

超高校級選手の不在が近畿勢低迷の一因だ。

 東海と北信越には'09年夏の優勝を争った中京大中京と日本文理が、九州には'09 、'10年春の優勝校の清峰と興南が、東北には'09年春、夏に旋風を巻き起こした花巻東がおり、成績上昇の原動力になったが、そういう牽引役が過去3大会、近畿にはいなかった。8強進出は'09年選抜の報徳学園と箕島の2校で、'09年夏、'10年春は全出場校が準々決勝以前に全滅している。

 個人技より嫌らしい野球こそ近畿の野球、と見る向きもあるが、'08年夏に優勝した大阪桐蔭は浅村栄斗(西武)、萩原圭悟(関西学院大)、福島由登(青山学院大)など投打の逸材を揃えて全国制覇した。そういう超高校級と形容できる選手が'09年春以降の近畿勢には、智弁和歌山の岡田俊哉(中日)くらいしかいなかった。低迷の一つの要因と言える。

近畿復活の起爆剤となる成長を遂げた3年生の主力選手たち。

 今年はどうだろう。昨年春・夏の甲子園に出場したPL学園の主力が、ひと回り成長して雪辱の機会を狙っている。

 吉川大幾(遊撃手)、勧野甲輝(一塁手)、多司将仁(投手)らはスカウトが張り付くほどの逸材で、とくに外野からショートにコンバートされた吉川の走攻守には多くの注目が集まっている。

 大阪桐蔭は超高校級捕手、江村直也を中心としたディフェンス陣が堅実で、智弁和歌山はドラフト候補、西川遥輝(外野手)を中心とした攻撃陣が、伝統の波状攻撃に磨きをかけている。この夏、近畿復活の起爆剤になるのは、果たしてどのチームだろうか。

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