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W杯をめぐるもうひとつの戦い。
2022年招致を目指す日本の勝機は? 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2010/06/19 18:00

W杯をめぐるもうひとつの戦い。2022年招致を目指す日本の勝機は?<Number Web> photograph by Getty Images

 日本がカメルーンに勝ち、スペインがスイスに負けた。前回準優勝のフランスと開催国の南アフリカは、そろって決勝トーナメント進出を逃すことになるかもしれない――。

報道陣非公開で行われたW杯招致アピール合戦。

 ワールドカップが開幕し、早や1週間が過ぎた。一方、熱狂の裏側で、もう一つの熱い戦いが繰り広げられている。2018年と'22年のワールドカップ招致活動だ。

 大会開幕直前の6月8日、ヨハネスブルクで立候補国9カ国(内2つは共催)の招致委員会のメンバーらが一堂に会し、9つの招致委員会によるプレゼンテーションが報道陣非公開で行なわれた。

 北中米カリブ海連盟による抽選により、韓国、スペイン・ポルトガル(共催)、オーストラリア、ロシア、米国、イングランド、カタール、日本、オランダ・ベルギー(共催)の順に登場。それぞれが12分間の持ち時間を使って、映像や写真、スピーチなどで自国をアピールした。

 日本国内では、'02年に韓国との共催でワールドカップを開催した実績があるため、サッカーファミリーの間でさえ「このタイミングでまたやる必要があるのだろうか」といった疑問の声がある。昨年10月には'16年の五輪招致を目指していた東京が、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロと争ってあえなく落選し、150億円もの招致費用が結果的に水の泡になったという経緯もある。

日本のテーマは「FIFA加盟208の国々との共催」。

 そういった“逆風”も多い中でのワールドカップ招致。招致費用は東京五輪と比べてかなり少い9億円の予算だというが、やはり無駄にしてほしくはない。そこで気になるのが、プレゼンでの手応えだ。

「12分間でお見せした内容は、明らかに他の国々より濃かったと思う」と胸を張るのは、招致委員会実行本部の丸山高人本部長だ。大半の国が施設の充実やインフラの信頼性をアピールする中、日本のプレゼンは「FIFAに加盟する208の国々との共催」というテーマを前面に押し出した、独自性あふれるものだった。

 ハイテクノロジーを駆使した3D映像でのパブリックビューイングを、世界各国の約400カ所で開催するという提案も、大変ユニークなものであると関心を呼んだという。

 では、ライバル国はどういうプレゼンをしたのだろうか。

 ブラッター会長が「有力」と発言したことで注目を集めているカタールは、灼熱地獄への懸念を打ち消すことに力を注ぎ、「スタジアムの気温を27度以下に調整する」「狭いエリアでやるので1日2試合見られる」といったことを強調した。韓国とオーストラリアはやや平凡で、ビッグイベントの開催実績と施設・インフラ・おもてなしの心のアピールに終始した。

【次ページ】 他国をうならせた米国のプレゼン内容とは。

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