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バレステロスを思い出す、
池田勇太のレトロ感。
~日本ゴルフ界の自然児は24歳~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2010/06/16 06:00

バレステロスを思い出す、池田勇太のレトロ感。~日本ゴルフ界の自然児は24歳~<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

今年のマスターズでは初出場ながら予選通過、29位。6月17日からの全米オープンにも期待

 昨年の賞金王を争ったこともあり、池田勇太と石川遼は常に比較されるようになった。石川遼が、優等生で、あるべき息子の理想像だとすれば、池田勇太は、むしろ土臭い、自然児という印象が強い。

「石川遼という選手を、ライバルだと思いますか?」と、池田に直球で質問してみた。

 すると、「いえ、一度も思ったことはありません。別に、遼クンに限らず、どの選手もライバルとは思わない。強いて言うなら、自分です。最高に手強いライバルですね」という答えが返ってきた。

 池田は「自分のスイングを見るのが大嫌い」だという。教科書的なスイングではなく、ひと昔前の職人的な個性あるスイングだからだ。

「優勝した試合でも、ビデオで見直すこともなかった。でも、それが僕のスイングだから、仕方ないんだけどね。敢えて、ティーチングプロをつけて直そうとは、思わない。嫌いだけど、いちばん自分の思い通りの球筋の出るスイングだから」

石川遼とは対照的なレトロ感が密かな人気に。

 彼の感性も自然児そのままだ。

「悪く言えば、なーんも考えない。そのコースへ行って、1番ティグラウンドに立ったときに、どう感じるか。そこで感じたままのゴルフをする」

 そういう野性的な選手は、いま、あまり見あたらない。僕の記憶で印象的だったのは、セベ・バレステロスだった。理性や知性ではなく、動物的。本能でゲームを操るタイプだ。

 例えば、'79年全英オープン。最終日の土壇場、16番ホールで第1打を大きく曲げて仮設駐車場に入れてしまう。でも、そこから見事にグリーンに乗せてバーディをもぎ取った。その攻撃性は、計算ずくではない。

 翌'80年、初優勝したマスターズではさらに驚かされた。最終日最終組のスタートの直前、彼はクラブハウスから、ハンバーガーをがぶり、口に頬張りながら、ティグラウンドへやってきたのである。こんな常識外れのゴルファーは見たことがなかった。

 池田勇太には、そんな匂いがする。

 '85年12月22日生まれ、24歳。石川遼とは、6歳しか違わないのだが、彼とは対照的な池田のレトロ感が、密かな人気になっている。

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