SCORE CARDBACK NUMBER

プレーオフでの“誤審”で
再燃したビデオ判定議論。
~ポストシーズン限定で拡大か?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2012/11/12 06:00

プレーオフでの“誤審”で再燃したビデオ判定議論。~ポストシーズン限定で拡大か?~<Number Web> photograph by Getty Images

 今年のプレーオフを機に、またしても「ビデオ判定」についての論争が巻き起こった。ナ・リーグのワイルドカードでは、インフィールドフライの判定を巡り、不利な判定を受けたブレーブスのファンがグラウンドにドリンクのコップなどを投げ込み、試合が中断した。

 そして最大のインパクトを与えたのは、ヤンキースとタイガースが激突したア・リーグ優勝決定シリーズ第2戦だった。8回表。二塁をオーバーランした走者へのタッチプレーを、ジェフ・ネルソン塁審は「セーフ」とコールした。ところが、その後、テレビの再生画像で「アウト」の光景が何度も流され、試合後、同塁審も誤審を認めた。

 第1戦でも一塁ベース上での微妙な判定に不満を見せていたヤンキースのジラルディ監督は、いつになく強い口調でビデオ判定拡大の必要性を主張した。

「判定が違っていたとして、試合の結果が変わったとは思わない。ただ、今は4月の試合ではない。我々はこの舞台に来るまでに235日間を費やしてきた。(審判が)必死にやっているのも分かるが、技術的にも可能な、たった30秒の簡単なことじゃないか」

大リーグ機構のトーリ副会長は「検討していくべきだろう」と含み。

 大リーグがビデオ判定を導入したのは2008年8月。それまでも特にポストシーズンでの判定が勝敗に影響するケースが相次ぎ、長い時間をかけて話し合いを続けてきた。「誰もがミスをする」との見地から、ビデオ判定には慎重論も多かったが、最終的に本塁打の判定に限り、導入に踏み切った。

 ただ、今回ばかりは拡大の波を止められそうにはない。というのも、米スポーツ界では、アメフトをはじめビデオ判定は当たり前。大リーグ機構のジョー・トーリ副会長は、「とても繊細な問題。我々は長い間、今のやり方でやってきたが、確かに技術は進んだ。検討していくべきだろう」と含みを持たせた。さらに、「誤審のままではなく、正しく訂正できれば、審判員のためにもなる」(元レッドソックス・ガルシアパーラ氏)との意見が聞こえるのも、見逃せない。

 基本的に時間制限のない野球の性質上、抗議回数を含め、他のスポーツとは異なる方法になるだろうが、少なくともポストシーズン限定で拡大される方向に進むのは間違いなさそうだ。

関連コラム

ページトップ