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プロ入り初の2得点で川崎Fを撃破。家長昭博はG大阪を救うか? 

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posted2012/10/29 11:07

10月20日、Jリーグ第29節・川崎フロンターレvsガンバ大阪の一戦が等々力陸上競技場で行われ、試合は3-2でG大阪が勝利した。勝ち点3獲得の立役者は21分に先制点、そして86分に決勝点を挙げた家長昭博だ。第30節・サンフレッチェ広島戦でチームは、首位チームから貴重な勝ち点1を獲得。その試合でもトップ下としてフル出場した家長昭博がG大阪の救世主になる。

 「ユースの最高傑作」、「天才ドリブラー」…。家長を評する枕詞はさまざまだが、誰もが認めるのはその天才性。才能を安易に認めない西野朗元監督(現ヴィッセル神戸監督)でさえ、「トップパフォーマンスはメッシ以上」と現サッカー界で最上級の褒め言葉を送っていた。

 同時に、このレフティーは実に気まぐれだ。ただし、スペインと韓国での不遇の時期を経て、今夏にG大阪に復帰した家長は、相変わらずのマイペースを保ちながらも、確かな内面の変化を醸し出していた。「ガンバはJ2に落ちてはいけない。育ててもらったクラブなので思い入れもある」。そんな本人の思いとは裏腹に、定位置獲得にはやや時間がかかったが、復帰後初先発となった第26節・浦和レッズ戦では5-0の大勝に貢献し、あらためて潜在能力の一端を知らしめてみせた。

 「アキ(家長)にはリーグ戦が終わるまでに最低5点は取らせる」。獲得当初から松波正信監督は明確な数値目標を与えていたが、第29節の川崎Fまでの得点は第23節・札幌戦の1点のみ。卓越した技術と世界レベルのフィジカルを持ちながら、唯一に近い欠点はシュート精度を欠くことだった。しかし、それもここに来て得点への意識は高まりつつある。

 「得点という結果が一番分かりやすいが、それだけがすべてではない」。チームが残留争いを強いられている状況でも特別に気負うことはないが、同時にこうも言い切った。「勝つためにプレーをしたい」。かつて“天才”と呼ばれた26歳はいま、間違いなく本気になっている。(G大阪担当記者・下薗 昌記)

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