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手堅い補強と都会の魅力で、
ネッツ残留を決めた名PG。
~新本拠地で戦うD・ウィリアムス~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2012/10/29 06:00

手堅い補強と都会の魅力で、ネッツ残留を決めた名PG。~新本拠地で戦うD・ウィリアムス~<Number Web> photograph by Getty Images

身体能力は平均的だが、高いバスケIQと万能性でスターPGへと成長したウィリアムス。

「建てれば、彼は来る」

 ご存知、映画「フィールド・オブ・ドリームス」の名セリフだ。ブルックリン・ネッツにとって、10億ドルをかけて建てられた新本拠地、バークレイズ・センターは、まさに、畑を切り開いて作られた野球場と同じだった。

 これまでニュージャージー州を拠点としてきたネッツは、大都市マンハッタンを拠点とするニューヨーク・ニックスの陰に隠れてきた。それが今季から同じニューヨーク州でマンハッタンの川向う、再開発が進むブルックリンに移転し、ロゴやチームカラーも変えてイメージを一新。選手たちが「入りたい」と思うようなチームに変貌しつつある。ロサンゼルス・レイカーズにトレードが決まる前のドワイト・ハワードが、ネッツを移籍先の第1希望にあげていたことは、新生ネッツを象徴するエピソードだった。

 一方で、今夏のネッツの補強で最も評価できるのは、そのハワード獲得に執着しすぎなかったことだ。ハワードが所属していたオーランド・マジックとは何度もトレード交渉を行ない、本気で獲りにいった。しかし、交渉が難航し、無理だと判断したときに、ハワードに将来すべてを賭けるようなことはしなかった。

ハワードにこだわらず、ウォレスら実力者を獲得した方針に共感。

 ビリー・キングGMによると、そのことを進言してきたのは、ポイントガードのデロン・ウィリアムスだった。彼はキングに「ドワイトを待った結果、チームが崩壊という状況にはしないでほしい」と懇願したのだという。

 ウィリアムス自身も7月にFAになり、ネッツ残留か、他チームと契約かを検討していたときだった。巷では、ハワード獲得がウィリアムス残留の鍵になると言われていたのだが、実際は違ったわけだ。

 ウィリアムスがネッツとの再契約を決めた理由の中には、3月のジェラルド・ウォレス、7月頭のジョー・ジョンソン獲得があった。スーパースターではないが、共に戦えるベテラン選手の補強に、“今”を戦う本気を感じたからだった。絵に描いた“ハワード”よりも、現実のジョンソンやウォレス、というわけだ。

 ブルックリンへの移転も決め手だった。「この建物でプレーする日をずっと待っていた」と、ウィリアムスは言う。

「この先ずっとここでプレーし、たくさん勝っていきたい」

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