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ラスト4戦で首位交代。
戴冠のカギは予選にあり。
~ベッテル対アロンソ、F1王者は~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2012/10/25 06:00

ラスト4戦で首位交代。戴冠のカギは予選にあり。~ベッテル対アロンソ、F1王者は~<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

アジアラウンド3連勝で75点獲得のベッテル(左)が一時は独走していたアロンソを抜いた。

 韓国GPで3連勝、今季4勝目を決めたS・ベッテルがF・アロンソから首位を奪還した。アロンソとは6点差、第17戦インドGPからのラスト4戦でチャンピオンシップV3を目指す。

 アロンソにすればベルギーGPと日本GPで1コーナー事故にまき込まれ、少なく見積もっても20ポイントをふいにしたのが響いている。現状のフェラーリ・マシンには予選上位を奪える戦闘力が無く、3列目スタートを余儀なくされ、混戦集団に身を置かざるを得なかった。一方ベッテルは日本GPでPP、韓国GPは予選2位。レース主導権を序盤に握り、得意の逃げる展開に持ち込み日韓連戦で圧勝した。後続3位アロンソにプレッシャーをかけられるような場面はなかった。

 この予選戦力の両車の差はどこからきているのか。端的に言えば、レッドブルは、タイムアタック走行では自由に操作を認められるDRSを最大活用している。ベッテルはDRSを、直線の最高速アップではなく、コーナー出口で早く作動させ、脱出スピードを高めて次のコーナーに向う方法を多用している。どのコースでも直線よりコーナーのほうが多いからラップタイムを稼げるのだ。

レース巧者のアロンソだが、マシンの戦闘力ではベッテルが上。

 コース脇で定点観測していると、最近のアロンソはコーナー出口で派手にマシンを振り回し、レッドブルに対抗すべく早くDRSをオンにしようと懸命なのがよく分かる。だが問題はダイナミック・ダウンフォースがレッドブルに比べて劣る点だ。空気抵抗は減ってもマシンそのものにグリップ感がなく絶えずスライドし、ステアリング・コントロールしなければならない。乗りづらいシビアな操縦性になるばかりかタイヤにも厳しくなって、1回目のピットストップが早めになる。レース戦略も難しくなるわけだ。

 アロンソの今季3勝のうち2勝が予選8位と11位から。彼ならではのレース巧者ぶりが光ったが、ライバルのトラブルやミスに乗じた部分もあった。首位から転落した今は敵失を突くだけでなく、予選でベッテルを脅かすポジションを得ないことには勝負にはいけない。インドGP以降どれだけフェラーリ・チームが速さを見出せるかは、アップデートにかかる。直接対決にひきずり込めば、アロンソには挽回する自信がある。3度目の戴冠に挑む二人のラスト4戦が始まる――。

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