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好調レッドブルの火種は
チーム内の「人間関係」か。
~“覚醒”ウェバーに焦るベッテル~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byGetty Images

posted2010/06/11 06:00

好調レッドブルの火種はチーム内の「人間関係」か。~“覚醒”ウェバーに焦るベッテル~<Number Web> photograph by Getty Images

モナコGPで今季2度目のワンツーフィニッシュを決めて喜ぶウェバー(中央)とベッテル

 ここまでレッドブルは、あらゆるサーキットで群を抜くコーナリングスピードを見せている。モナコGPまでの“開幕6戦連続PP”は、'92年シーズンを席巻した王者ウイリアムズ(N・マンセル&R・パトレーゼ)と同じで、他を寄せつけない俊足パフォーマンスを発揮してきた。2勝を挙げたM・ウェバーと1勝のS・ベッテルがともに78点で肩を並べ、モナコでチーム首位に立った彼らは'10年シーズン中盤戦のニューリーダーに躍り出た。

 戦前に言われていた「トップ4混戦」の構図から抜け出し、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスGPをリード。結成5年のインディペンデントチームがメーカー系の名門チームを従えて夏に向かうとは、予想以上の快進撃ぶりである。

屈託のない笑顔が消えたクリスチャン・ベッテル。

 起爆剤になっているのはウェバーだ。33歳、キャリア9年目のオーストラリア人ドライバーは、これまで22歳の新星ベッテルの脇で地味な存在だったが、第5戦スペインGPからパーフェクトウィンを重ね、まるで“覚醒”したかのようだ。マシンのセットアップを手早く決め込み、予選、決勝とミスのないプレーを貫くチームメイトの変化に、ベッテルは次第に焦り始めている。マシントラブルに見舞われ、セッティングにも悩みを抱え、あの屈託のない笑顔が消えてしまった。

 今季、チームメイト間の争いが注目を集めたのはマクラーレンの両王者、J・バトンとL・ハミルトン、そしてメルセデスの新旧スター、N・ロズベルグとM・シューマッハーだったが、中盤戦はレッドブルの2人の対決が見どころになる。

チームは2人のドライバーを平等に扱うのかどうか。

 信頼性にやや難点が残るマシンを巧みにコントロールし、さらにスピードを引き出せるかどうか。また、チームがフリー走行、予選、決勝を通じて2人を平等に扱うのかどうか。マシンのセットアップ、レース戦略など、チーム内の関係は今までよりもずっと微妙になってくる。レッドブルにとって初めての経験となるデリケートな采配が求められるだろう。

 最速マシンを作り上げてきた、このテクノロジーオリエンテッドなチームにもし弱点があるとすれば、それは“ヒューマンファクター”だ。中盤戦、暑い夏の高速レースをレッドブルがどう乗り切っていくか。マシンの信頼性とチーム采配が鍵になる。

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