「野球の歴史のなかで4連敗は起こりうる」と栗山監督。

　先頭の松田の出塁を許さなければ、盗塁や犠打などで得点圏に走者を置く心配は減る。そうなれば、ポイントゲッターの3番・内川聖一、4番・ペーニャには、「単打はOK」の配球で勝負することができる。つまり、失点を最小限に抑えることができる、というわけだ。

　松田に自由を与えなかった。それは、ひいてはチームの連勝を陰ながら支えることにも結び付いていったのだ。

　今日、10月19日の第3戦で日本ハムが勝利すれば、日本シリーズ進出が決まる。

　だが、栗山監督は闘争心を弛緩させてはいないようだ。

「野球の歴史のなかで4連敗は起こりうることです。今シーズン、うちも4連敗しているし、（第3戦以降は）ホークスはエース級がくるので、勝つのは難しいけど、まずは明日（10月19日）、全てを賭けて戦います」

攝津、武田、大隣という「表ローテ」が始まるソフトバンク。

　日本ハムが連勝したとはいえ、この2戦の勝敗の行方が紙一重だったのも確かだ。

　ソフトバンクの視点で言えば、いずれも接戦だったため、継投のタイミングが難しかったことが連敗の一因として挙げられるだろう。

　第1戦では陽耀勲が6回までほぼ完璧に抑えていたが、球威が落ち、制球が乱れ始めた7回に相手打線に捕まった。第2戦でも、初回から不安定だった先発の新垣渚を3回で見切りをつけ、岩嵜翔にスイッチしたまではよかった。しかし、4回から6回まで60球近く投げた岩嵜を、7回に入っても続投させたのが裏目に出てしまった。

　だがソフトバンクは、ようやく攝津正、武田翔太、大隣憲司の「表ローテ」が投げる。第3戦で先発の攝津は、今季、1勝1敗、防御率4.24と日本ハムとの相性はよくないが、最多勝エースはこの剣ヶ峰で本領を発揮してくれるだろう。その後に控える武田、大隣にしても、レギュラーシーズン通りの投球ができれば3連勝の可能性は十分にある。

　栗山監督が全てを賭けて戦うと誓った第3戦。日本ハムがこのままパ・リーグを制するのか。それとも、ソフトバンクが勝利し、勢いに乗るのか？

　ファイナルステージの激戦。ファンはまだまだそれを望んでいる。