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首位バルサに肉薄するアトレティコ。
シメオネは2強体制に風穴を開けるか。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byNobuyuki Yokoi

posted2012/10/19 10:30

首位バルサに肉薄するアトレティコ。シメオネは2強体制に風穴を開けるか。<Number Web> photograph by Nobuyuki Yokoi

ビセンテ・カルデロン近くのグッズショップ。監督のシメオネ、エースのファルカオのほか、アトレティコ育ちの“元エース”、フェルナンド・トーレスのマフラーも並ぶ。

 カンプノウでのバルサ対レアルに世界が注目した夜、リーガにとっては同様に重要な一戦がマドリー市内のビセンテ・カルデロンで行なわれた。

 2位のアトレティコ対3位のマラガである。

 試合は開始まもなくファルカオのゴールでアトレティコがリードし、前半のうちにマラガが同点とし、その後も拮抗したが、90分を廻ったところでウェリグトンのオウンゴールがあって、アトレティコが勝者となった。

 アトレティコはこの3日前に行なわれたELのビクトリア・プルゼニ戦でも90分過ぎに“セボーヤ”ロドリゲスがミドルシュートを決め、劇的な勝利を収めている。

 こういう形で勝てるチームは強い。

 昨季のレアルも負けや引き分けで終わりそうな試合をことごとく制して優勝したし、事実アトレティコも獲得ポイントで現在首位のバルサに並んでいる。ちなみに、アトレティコが最初の7節を6勝1引き分けで終えたのはリーガと国王杯の2冠王者となった'95-'96シーズン以来のことだ。

横暴なフロントを手懐けた、シメオネ監督の深謀遠慮。

 今年1月に本コラムで書いたとおり、アトレティコというクラブはフロントが極めて特殊である。監督の選択が甘い上、長期的ヴィジョンを持たないため、毎年そこそこの選手を揃えながら、継続的に力を発揮できるチームが作れない。

 ところが、今シーズンは様子が違う。監督シメオネの存在が効いている。

 シメオネは昨年の12月末、前任のグレゴリオ・マンサーノに代わって当時11位のチームを引き受け、まず2年ぶり2度目のEL制覇を成し遂げた。次に、5位でシーズンを終えた。

 そして、今季を迎えるにあたっては、気の利いたオファーさえ届けば主力を平気で売り渡すフロントを抑え、半年間鍛えてきたチームの解体を食い止めつつ、必要な補強を行なった。

 つまり、昨季終盤に掴んだ上昇気流を逃さないよう、チームとクラブをうまく操縦したわけだ。

【次ページ】 「相手に考える時間を与えない」中盤のプレッシャー。

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