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日本勢最後の砦、
中上に求められる“強さ”。
~激戦モト2、日本GPで表彰台を~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2012/10/12 06:00

日本勢最後の砦、中上に求められる“強さ”。~激戦モト2、日本GPで表彰台を~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

スペインGP予選でフロントローを獲得し喜ぶ中上。日本GPでもこの表情を見られるか。

 激戦が続くモト2クラスで、3年ぶりにグランプリに復帰した中上貴晶が、表彰台にあと一歩に迫る走りを見せている。今年はイタリアの中堅チーム「イタルトランスRT」に所属し、第2戦スペインGPでは、予選2位、決勝5位と幸先良いスタートを切った。その後は思い通りのマシンが仕上がらず、時折速さを披露する程度だったが、第9戦イタリアGPでは初めてトップを走って注目を集めた。そのコメントが、いまのモト2クラスの厳しい戦いを物語っている。

「集団の中でとにかく行けるところまで行こうと一台ずつ抜いていって、気がついたらトップに出ていた。初めてトップを走ってみたら意外と速くない。バイクのセッティングが決まると、こういうレースができるんだなあと思いました」

 予選ではPPから1秒差以内に15台前後がひしめき合う。決勝でもトップグループが5台前後の集団になることが多く、9月下旬にスペインで行なわれた第13戦アラゴンGPも、優勝者から6位までが2.9秒差という接戦だった。

日本GPに向けて「今年は違います」と語る、中上の強い意気込み。

 モト2が激戦になっている理由は、ホンダエンジンとダンロップタイヤの1社供給になっていて、車体を提供するコンストラクターの戦いになっているからだ。今年はスッターに乗るM・マルケスが7勝を挙げて総合首位に立っている。すでに来季のレプソル・ホンダ入りが決まっている逸材は、いまのモト2クラスの戦いをこう語る。

「モト2は差が出ないクラスなので、小さな問題点をひとつひとつ改善してきた。それが結果につながっている」

 しかし、マルケスの走りを見ていると、ある程度まではセッティングにこだわるが、足りない部分はライダーの力でなんとかしようとする強さを感じる。いま、中上の走りに求められるのは、そういう強さだ。

 そのためにも、まず表彰台に立たなくてはならない。目前に迫る日本GPに向けて、彼はこう語ってくれた。

「(前回参戦した)125cc時代は、表彰台に立つ自分をイメージ出来なかった。でも、今年は違います」

 日本人選手にとって、年々遠ざかるグランプリの表彰台と優勝。中上の走りで、そんな流れにストップを掛けてもらいたい。

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