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若き投手陣を背中で引っ張って――。
日ハム“最強の2番手”武田勝の誇り。 

text by

加藤弘士

加藤弘士Hiroshi Kato

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photograph byHideki Sugiyama

posted2012/10/09 12:50

若き投手陣を背中で引っ張って――。日ハム“最強の2番手”武田勝の誇り。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

10月8日現在、武田勝の成績は11勝7敗、防御率2.39。開幕投手の座は斎藤佑樹に譲ったが、抜群の安定感に栗山監督からの信頼は厚い。

「永遠の2番手」ではなく「最強の2番手」へ。

 誰もが「オレが、オレが」では、強い組織は作れない。チームマネジメントの基本だ。いつも柔らかな笑みをたたえながら、きっちりと「いい仕事」をする。こんな先輩が背中で引っ張る戦闘集団が、弱いわけがない。パ・リーグのMVPは吉川光夫で決定的と見られるが、陰のMVPを挙げるとするなら、私は武田勝を推薦したいと思う。

 今夜は、レギュラーシーズン最後の登板。そしていよいよ、クライマックスシリーズが始まる。17日(水)のファイナルステージ初戦、日本ハムの先発は吉川が濃厚だ。すると、武田勝は第2戦の先発だろうか。首位チームには「1勝」のアドバンテージがある。2戦目のマウンドには「2勝」の状態で上がるのか、あるいは「1勝1敗」か。いずれにせよ日本シリーズ進出へ、重要な意味を持つ試合になることは間違いない。

「短期決戦はとにかく、自分のピッチングをすることが大事だと思っています。その場の状況判断をきちんとして、無駄な四球や先頭打者を出さないこと。そして少しでも長いイニングを投げられたら。そこを意識して、しっかりと調整していきたい」

 その表情からは、逃げることなく投げ抜いてきた男の誇りがにじむ。

 武田勝はもはや、「永遠の2番手」なんかじゃない。北の大地が熱を帯びるクライマックスの大舞台。「最強の2番手」の力投を、じっくりと堪能させてもらう。

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