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史上最多メダルを支えた、
マルチサポートハウス。
~ロンドンで機能した“前線基地”~ 

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posted2012/09/03 08:00

史上最多メダルを支えた、マルチサポートハウス。~ロンドンで機能した“前線基地”~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

 ロンドン五輪で史上最高となる38個のメダルを獲得した日本選手団。選手個々の大奮闘はもちろんだが、彼らを支えた体制の充実も見逃せない。

 とりわけアスリートたちから評価が高かったのが「マルチサポートハウス」だ。

 マルチサポートハウスとは、選手のコンディショニングや疲労回復、食事などの栄養面をサポートするために、国が5億4000万円を投じ、国立スポーツ科学センターが設置した支援拠点。前回の北京五輪でアメリカなどが同種の施設を整備して結果をあげたが、日本は'10年の広州アジア大会から導入していた。

 ロンドンでは、選手村から徒歩10分の距離にある、普段は劇場として使われている建物を利用。交代浴ができるリカバリープール、ミーティングなどに使えるスペース、高気圧酸素カプセルや高反発マットレスパッド「エアウィーヴ」のほか、栄養士や情報分析スタッフが常駐するなど、選手を多角的に支援する場として機能した。

 開設期間中には延べ4200人の選手・スタッフが利用したが、その使い方は人それぞれだったようだ。

 男子サッカーの永井謙佑など負傷した選手が訪れたのはもちろん、畳約100畳分の広さを誇る簡易道場は柔道やレスリングの選手が練習場所として活用。開会式で旗手を務めた吉田沙保里は、試合までの約10日間、ここで最終調整を行なっていたという。

具が「全然違う」選手村の味噌汁より、断然充実した日本食を提供。

 なかでも選手の口から度々聞かれたのが、日本食の提供など食事面での心強いサポートだ。体操団体で銀メダルを獲得した田中和仁は記者会見でこんな感謝の言葉を述べていた。

「選手村には色々と(食事の)コーナーはあるんですけど僕が食べられるものは少ない。肉は焼いただけで味がないし、味噌汁もそれっぽいけど、具の野菜が日本とは全然違うものが入っていたりして(苦笑)。マルチサポートハウスが近かったのでちょくちょく通ってました」

 モントリオール五輪の柔道金メダリストで、日本選手団の団長を務めた上村春樹氏は「自分たちの現役時代は海外で和食を食べられなかった」と、充実の体制に時代の変化を感じとっていた。

 ソチ、リオでも設置されれば、日本選手の頼もしい味方になってくれそうだ。

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