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無惨に死んだ世界王者の
語り継ぐべき偉業と素顔。
~エドウィン・バレロの訃報に思う~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byGetty Images

posted2010/06/02 06:00

無惨に死んだ世界王者の語り継ぐべき偉業と素顔。~エドウィン・バレロの訃報に思う~<Number Web> photograph by Getty Images

ベネズエラに帰国した'09年以降はビッグマッチに恵まれず、うつ状態が続いていたという

 後頭部にガツンと不意打ちを食らったような、すっきりしない気分が続いている。4月、エドウィン・バレロが唐突にこの世からいなくなったからだ。

 スーパーフェザー、ライトの2階級で世界王座に就いたKOアーティストは、妻を刺殺し逮捕された数時間後、留置場で首を吊って自らの命を絶った。正気の沙汰ではない。実際、最近は薬物とアルコール漬けで、カロリナ夫人や母親にたびたび暴力を振るい、それが高じて無惨な結末となった。束の間、東京で妻子と仲睦まじく暮らし、「ボクシングはビジネス。家族のために戦う」と言っていただけに、いまだに信じられない。27戦全KO勝ちの完璧なレコードも、やり終えずに残された仕事のように見える。

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