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頼れるエース・木村沙織が大爆発!
女子バレーが24年ぶりに準決勝進出。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2012/08/08 12:20

頼れるエース・木村沙織が大爆発!女子バレーが24年ぶりに準決勝進出。<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

「予想以上にすごい試合になりました。(中略)次の試合はメダルをかけた戦いができるので、いい準備をして、全て出し切れるように頑張りたい」と試合後にコメントした木村。

 欲しいところで決めてくれる頼れるエースが戻ってきた。

 ロンドン五輪女子バレーボール準々決勝中国戦で、日本はフルセットの大激戦を制し、1988年ソウル五輪以来24年ぶりのベスト4進出を果たした。その大一番で、スパイクに、守備に、サーブに、大車輪の活躍をみせたのが木村沙織だった。

「スイッチが入りましたね。負けたら最後の試合ですからね」

 試合後、眞鍋政義監督は興奮冷めやらぬ様子で、エースを讃えた。

 日本の絶対的エースである木村は、予選ラウンドでは本調子とは言えなかった。今年5月のロンドン五輪世界最終予選の後、日本は相手ブロックを減らすために攻撃のスピードアップを図り、木村へのレフトのトスも速くなったのだが、まだ完全にものにはできていなかった。打てるコースの幅が狭くなり、ボールに十分力も伝わらないため、ブロックを抜いても拾われることが多かった。

 しかしこの日は違う。打つごとに木村のスパイクの力強さが増していく。インナーの厳しいコースへのスパイクも決まり、第1セットは13-16から徐々に追い上げを開始。22-24と先にセットポイントを握られたが、木村のライトスパイクで1点差に迫ると、木村のサーブで崩して25-24と一気に逆転。最後はバックアタックをたたき込み、28-26で第1セットを先取した。

「もうトスがどうこうっていうんじゃなくて、どんなトスが上がってきても、最後にしっかり点数にするのはスパイカーの仕事。もっと視野を広げて、コースだったり、強打軟打の打ち分けだったり、自分らしいプレーをしたいと思います」

 日本を発つ前にこう語っていた通りの役割を、勝負どころで果たした。

木村と江畑の両エースだけで、大量66得点を叩き出した!

 変幻自在のスパイクが甦り得点を重ねる木村に呼応するように、対角の江畑幸子も思い切りよく腕を振り抜いて高い決定率を残し、両エース揃って33点もの得点を量産した。

 眞鍋監督は「ディフェンスが本当によく拾って、そのボールを、最終的には両エースが開き直って、よく打ってくれた」と振り返る。

 リベロの佐野優子やセッター竹下佳江が、小柄な体を投げうって中国の強打を拾うたびに、バレー会場であるアールズコートの観客はどよめき、最後にエースが決めるとおおいに沸いた。日本人だけでなく、地元の観客を驚かせ、味方につけた日本が、過去二大会跳ね返されたベスト8の壁をついに破った。

【次ページ】 「17番をサーブで狙い、スパイクが少なくなるようにした」

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