日本人選手たちを応援した、多くの外国人観客の存在。

　場内には、多くの中国人の応援団が駆けつけていた。観客の半数をゆうに超えていたのではないか。

「加油！」の大声援が響く中、第2ゲームに藤井と垣岩がたびたび好プレーを見せると、日本からの応援団をはじめ、両国以外の観客からも拍手と歓声が沸き起こり、2人を後押しした。そんな応援は、彼女たちの食い下がる姿勢と粘りがあったからこそだろう。

　2人にとっても、今まで知らなかった決勝という舞台の緊張感を体感したこと、そこで中国のペアと渡り合った経験は、今後の財産となる。きっとふたりは、もっと上を目指していけるはずだ。

　失格騒ぎなどがあったにせよ、決勝での藤井と垣岩は、銀メダルにふさわしい戦いを見せた。

「首にメダルをかけられたときの重さに、びっくりしました」（藤井）

　日本バドミントン界初のメダリストとなった2人は、表彰台の上で、心からの笑顔でメダルを手にした喜びを表し、暖かい拍手を送る観客席に手を振って応えた。