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“小動物系”土居美咲の、
男子顔負けのスケール感。
~日本女子テニスの枠を超えて~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2010/05/22 08:00

“小動物系”土居美咲の、男子顔負けのスケール感。~日本女子テニスの枠を超えて~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 小動物系、とでも言ったらいいのだろうか。身長159センチ、丸顔にクリッとした目。土居美咲は一見、どこにでもいそうな19歳の少女だ。

 しかし、そのテニスは男まさりというか、荒々しい。左利きのフォアハンドはトップスピン主体で、自分からガンガン攻めていく。相手のパワーを利用し、カウンターショットで切り返すのが日本の女子選手に共通する特徴だが、土居のテニスはその枠を大きくはみ出している。

 彼女の存在が最初にクローズアップされたのは'07年のウィンブルドンだった。ジュニアの部に出場した土居は、奈良くるみと組んだダブルスで準優勝。すべての選手が憧れるテニスの聖地で、同世代の強豪たちと堂々と渡り合った。

 この5月、ツアー下部大会の福岡国際女子で久しぶりにプレーを見た。プロになって1年半。「自分でもストロークがしっかりしてきたと思う」というように、成長の跡は明らかだった。ジュニアの頃はセンスに任せてプレーするところもあったが、ショットの精度が上がり、力強さも加わった。トップスピンは勢いが増し、ボールは見るからに重そうだ。このトップスピンで展開を組み立て、最後は「ネットで仕留める」。土居が目指すのは、言ってみればスペインの男子選手が見せるようなプレーだ。

豊富な国際経験で培った強いメンタリティ。

 世界ランキングでは、プロに転向した'08年末の613位から171位(5月10日付)まで浮上してきた。四大大会の予選には間違いなく入れるランキングだ。「成績が上がってきた要因は?」と水を向けると、「テニスの質が上がってきている」と自信に満ちた答えが返ってきた。

 昨年は土台作りの1年ということもあって、国内で開催される国際大会を中心に戦ったが、今後は「できるだけ海外の試合に出たい」という。ジュニア時代から多くの海外遠征をこなしているため、外国人選手にも気おくれしない。「選手のレベルも高く、海外でやっていたほうが強くなると思う」と前向きだ。

 福岡国際女子ではシングルスは2回戦止まりだったが、ダブルスで優勝した。国内の大会はこれでひと区切り。全仏オープンやウィンブルドンの予選に挑戦するため、ヨーロッパに遠征する。彼女の言う「強くなれる場所」で、チャレンジの夏が始まる。

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