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オークスを盛り上げる、
関東の肝っ玉女と新勢力。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byYuji Takahashi

posted2010/05/21 06:00

オークスを盛り上げる、関東の肝っ玉女と新勢力。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

 長過ぎる低迷時代に喘いでいる関東馬が、ここへ来て関西馬の厚い壁を打ち破る活躍を見せるようになってきている。桜花賞を完勝したアパパネ(美浦・国枝栄厩舎、父キングカメハメハ)もその中の代表的な1頭。2歳女王の座を射止めた「阪神ジュベナイルフィリーズ」(GI)のときもそうだったが、栗東トレセンに数週間滞在して、坂路や逍遥馬道を経験させる「栗東留学」を見事に成績に結びつけた、と見ることもできる。

 いまでこそ、小島茂、加藤征、萩原、大竹といった若手トレーナーたちがなんの抵抗も感じることなく栗東を訪れるようになったが、その草分けとも言える存在が国枝調教師だ。なにしろ、アパパネの母、ソルティビッド(現10歳)が現役だった'02年、栗東の坂路にやってきて初めて坂路を駆け上がったとき、鞍上にいたのが国枝師その人だったのだから、その筋金の太さを感じずにいられない。

「ソルティビッドは短距離でのみ3勝をあげた馬でしたが、精神的には驚くほど安定していました。普通、初めての場所を1頭で上手に走ることができる馬はいませんが、ソルティビッドはそれができたんです。そして、娘のアパパネも母の肝の据わった面を見事に受け継いでくれています。だから桜花賞でも大人の競馬ができたわけです。800mも距離が延びるオークスですが、同じように乗り手の指示に従順に、上手に走れるはずですよ」

 母子2代で様々な経験を積んできたアパパネの強さ。オークス(5月23日、東京競馬場、芝2400m、GI)でも、その主役の座に揺るぎはない。

絶好調ジョッキー・横山典の“大駆け”宣言。

 しかし、怖い相手が桜花賞とは別の路線から続々と出てきてもいる。その代表格は、フローラS(東京、芝2000m、GII)で文句なしの強い内容を見せて名乗りをあげてきたサンテミリオン(美浦・古賀慎明、父ゼンノロブロイ)。騎乗する横山典弘騎手は、牡はペルーサ(美浦・藤澤和雄、父ゼンノロブロイ)で、牝はこの馬で、オークスとダービーの連勝をマジで狙っているのだ。

「2頭とも、最初に乗ったときに“ゼンノロブロイそっくり”って言っちゃったからね。結果を出さないとカッコ悪い」

 ちょっと照れたような表現で大駆けを宣言する絶好調ジョッキー。関東馬の頑張りがクラシックを盛り上げている。

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