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ドメスティックブランドの高性能ロードバイクを駆って、速く走る楽しさを知る! 

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奥山泰広&高成浩

奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)

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photograph byInterMax

posted2012/07/24 06:00

ドメスティックブランドの高性能ロードバイクを駆って、速く走る楽しさを知る!<Number Web> photograph by InterMax
アスリートの心の中に渦巻くブツ欲を赤裸々に紹介し、解消していくこの企画。「ご意見番」として登場するのは、ファッション&モノ業界で長年活躍する“スマート”奥山泰広氏と、その相棒の“ワイルド”高 成浩氏。

空前の自転車ブームの今、つい先日に終了した世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」の影響からか、スマート奥山がロードバイクを買う気になった。ブームの前から乗り始め、一気に300kmを走り抜けるレースにも出場しているケダモノ高は、はたしてどんなバイクを奥山に薦めるのか?

奥山   お早う……フガァ~ございます。

   お早う……っていうか、朝っぱらからデカいアクビして、たるんでるなぁ。

奥山   すみません。ここ連夜、真夜中までテレビ観てたもんで。

   あれっ、もしかして「ツール・ド・フランス(以後“ツール”)」観てたの?

奥山   そうです。BS放送で……だいたい連日21時から深夜2時くらいまで、ばっちり観てましたよ。いやあ、たまたまスタートを観てしまったもんだからその後もレースを追うようになり、ルールもよく知らないのに次第に引き込まれちゃいましたよ。それにしても自転車レースって長丁場だから、観る方も疲れますね。ユーロ2012と連チャンなので、さすがに眠気と疲労が溜まってます。フガァ~。

   今年のツールは盛り上がったね。俺らとしては第4ステージで新城選手が敢闘賞をゲットしたことが、なにより興奮したね。もちろん、優勝したブラドレー・ウィギンスが2回のタイムトライアルを制するなど、鬼気迫る走りには見ていて鳥肌が立ったけどさ。

奥山   そうそう、タイムトライアルって味方選手のサポートがない“正真正銘のガチンコ”ですから、最後のウィギンズの走りには手に汗握りましたよ。でも、もっとはらはらドキドキしたのは、第4ステージの初っぱなから飛ばした新城選手です。後続の集団に追いつかれやしないかと、ひやひやしながら観戦してましたよ。あんなに差が開いてたのに、最後は抜かされちゃうもんなんですね。

   う~む、集団で走ると風の抵抗を受けないし、ペース配分にも余裕が出来るから、とても有利なんだよ。それにしても、新城選手と一緒に逃げた地元っ子のアントニー・ドゥラプラスとベテランのダヴィ・モンクティエは、奇しくも2010年のジロ・デ・イタリアでの“逃げ”と同じメンバー。ロードレース・ファンにはたまらない展開だったんだけどね。

奥山   な~んだ、高さんもしっかり観てたんですね。で、レースを観てたら、僕も自転車に乗りたくなっちゃったんですよ。なんたって、どの選手もスマートで、それでいて逞しいでしょ。僕もあんな体型を目指そうかな……と。

   まったく単純だね。まぁ、俺としては身近にロードバイク乗りが増えるのは喜ばしいから、全面的に協力するよ。その代わり、ちゃんと走るんだぜ。自転車はまぎれもない有酸素運動だから、真面目に走れば確実に脂肪は落ちるし、下半身だけでなく全身の筋肉が鍛えられるんだ。それに、奥山が取り組んでいるランニングよりも、膝や足首への負荷が軽いというメリットもある。

奥山   わかってますって! そんなコトより、ロードバイクは何がいいですかね? デローザ? コルナゴ? ピナレロ? みんなイタリアだなぁ。やっぱりカッコいいのはイタリアなのかな。

   すぐブランドに惹かれる~。ホントにミーハーだな。ロードバイクで最も重要なのは、フレームの素材なんだよ。

奥山   おっと~、朝っぱらから“オヤジの蘊蓄話”が炸裂しそうな雰囲気。まぁ、アドバイスを伺う立場なんで、謹んで拝聴しましょうか。

素材の違い、お国柄で性能&乗り味が違ってくるロードバイク。

   ロードバイクのフレームは一般的には鉄、アルミ、カーボンが使われていて、それぞれに長所&短所があり、バイクの性能や乗り味が決まると言ってもいい。まず鉄……クロームモリブデン鋼、通称「クロモリ」は、丈夫で粘りがある乗り心地が特長。クラシカルなフォルムのクロモリ・フレームは、リーズナブルなこともあって、昔からのファンが多い。ただし、重くなるのが難点だな。アルミ・フレームは軽さ、耐久性、価格など、すべてにバランスが取れていて、入門バイクには最適。でも、硬い乗り心地を嫌う人も少なくない。最後はカーボンだ。軽量で剛性が高く、しかも路面からの衝撃吸収にも優れているので申し分ないんだけど、高価格というデメリットがある。

奥山   各メーカーはそうした素材の特性を活かして、個性豊かな独自のバイクを作っているんでしょ!?

   うん。ロードバイクってメーカーの個性や、お国柄が強く出るね。例えば、さっき奥山が言ってたデローザやコルナゴとかは、まるで工芸品のような美しい仕上がりが魅力なんだけど、それって美意識=カッコがいちばん! と言ってはばからないイタリア人気質そのものだよね(笑)。

奥山   やっぱりね。僕も賛同します。

   熟練の職人が1台1台丁寧に作るイタリアン・バイクと対照的なのが、アメリカのバイクかな。コンピュータ解析&ハイテク素材で作られた「キャノンデール」のバイクは、平地から山岳までこなすオールラウンダーな性能が特長だ。また、スペインやスイスは険しい山々が近くにあるせいか、「オルベア」や「BMC」のバイクは軽量でヒルクライムに突出しているね。同様にドイツも山岳セクションに強いんだけど、「フォーカス」はダウンヒルでのハイスピードにも対応するため、非常にタフなフレームに仕上がっている。

奥山   う~む、僕は登り坂は遠慮したいなぁ。

   イギリスのバイクは乗り心地重視で、ユル~い感じ。というのも、イギリス郊外のカントリーロードって樹々の根っこによってうねり放題で、しかも緩やかな起伏が延々と続くから。そうしたお国の道路事情が、それぞれのバイクに如実に反映されるんだよ。

奥山   で、結局のトコロ、お薦めのバイクは何ですか?

【次ページ】 パワーロス軽減のための高剛性フレームは最重要!

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