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復調のきっかけを掴んだ
高橋の巻き返しなるか。
~モト2クラス後半戦に挑む~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2012/07/21 08:01

復調のきっかけを掴んだ高橋の巻き返しなるか。~モト2クラス後半戦に挑む~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

ドイツGPの翌週、イタリアGPでも17位に終わり、9戦を終えた段階で、まさかのノーポイント。シートを死守して、後半戦で力を証明したい。

 モト2クラスで低迷し続けていた高橋裕紀が、第8戦ドイツGPでようやく復調の兆しを見せた。決勝では最終的に電気系統のトラブルでリタイヤしたが、今季ベストの11番グリッドからのスタートで一時はポイント圏内を走行した。そんなことすら貴重なほど、高橋は苦しい戦いを強いられている。

 今年はイタリアの新興チーム、フォワード・レーシングに移籍した。チームメイトはモト2クラスでは高橋と並ぶ実力者のA・デ・アンジェリス。二人揃って開幕から不調だったが、その中でも何度かトップ10に入ったアンジェリスに対し、高橋は予選も決勝も19番手以下というレースが続いていた。

 差がついた理由は、フロントタイヤの接地感に不安があり、攻めの走りが出来なかったから。高橋は当初からサスペンションの不調を訴えていたが、チームは場当たり的に中古のフレームを次々と交換するだけで、状況は一向に改善されなかった。その一方、アンジェリスの成績も向上しなかったことで、チームはようやく車体コンストラクターを変更し、根本から車体を変えることを決断した。

不調の原因は、やはり高橋が主張し続けていたサスペンションに。

 新しい車体で臨んだ第7戦オランダGPで、アンジェリスが5位と結果を出したのに対し、高橋は20位に終わった。だがその結果によって、不調の原因がサスペンションに絞られた。高橋の主張の正しさがようやく証明されたのだ。

「これまでの主張が正しかったことが証明されて、すごく嬉しい。復調がここまでずれこんだ理由は、サスペンションに問題はないとチームが言い続けてきたことにもある。やっといい走りが出来たけど、失った時間を考えるとすごく悔しい」

 高橋がドイツGPで見せた走りは、アンジェリス用のサスペンションを使った成果にほかならない。解決してみれば、その原因が単純きわまりなかったからこそ、パーツにコストを掛けないチームの方針とスタッフのレベルの低さに、失望を覚えずにはいられない。

 ドイツGPで、アンジェリスは今季初めて3位表彰台に立った。復活の兆しは見せたものの、対照的にマシントラブルでリタイヤした高橋を、チームはどう評価するのだろうか。シート喪失の危機も囁かれるが、これまでの高橋の苦悩と努力が後半戦で報われることに期待したい。

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