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「NZ人を10人いれるか!?」
エディの“怒り”の真相。
~挑発で日本ラグビーを変える!~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2012/07/15 08:00

「NZ人を10人いれるか!?」エディの“怒り”の真相。~挑発で日本ラグビーを変える!~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

エディの指導の下、着実に進化を遂げるジャパン。菅平合宿の後は11月に欧州遠征を予定。

「勝たなきゃダメですね」

 多くの人が同じ言葉を口にした。エディ・ジョーンズ新ヘッドコーチ(HC)を迎えたラグビー日本代表は、アジア5カ国対抗では全勝優勝を飾ったものの、パシフィックネーションズ杯(PNC)では3戦全敗。『ジャパンXV』の名で臨んだフレンチバーバリアンズ(FB)との2戦にも連敗。春シーズンは4連勝のち5連敗に終わってしまった。

 それでもファンは温かい拍手を贈り、選手は手応えを口にし、指揮官も選手を称え続けた。FBとの第2戦後も「この強い相手に対して勝てそうな流れを作った選手たちを誇りに思う。負けたのは現在のジャパンの力。悔しいけれど、2年後はこのクラスに勝ちたい」と言った。

 この春、エディが言い続けたのは、2015年W杯にベストで臨むためのチーム作り。最も時間のかかるアタックのベースづくりには、4月3日の静岡・つま恋合宿の初練習から取り組んだ一方で、ディフェンス主眼の練習は皆無。試合の週でも早朝トレーニングを含めた3部練習を敢行し、フィットネスを鍛えた。無論、代表の試合で負けが許されるわけもないが、ことを成し遂げようとするなら、目先の勝利だけを追ってはいられない。

日本人選手の“負け犬根性”をぶち壊す!

 だが、6月20日、FBとの初戦に21-40で完敗したときは怒りを爆発させた。

「前半はやられ放題。ハーフタイムに私が怒ったら後半はマシな戦いになった。じゃあ、なぜそれを最初からやらない? 私が若くて、初めてチャンスをもらった選手なら、最初からすべて出し切ったはずだ。スクラムは崩されることはあっても絶対に下がらなかった。今日出た選手たちは本当に日本のためにプレーしたいのか? それとも、去年(のW杯)のようにまたNZ人を10人いれた方がいいのか!?」

 そこまで怒るか? 最初はそう思ったが、熱弁を聞くうちに分かった。エディは日本人の意識そのものを変えたいのだ。このメンツならこんな点差か、という分相応な意識、負けに慣れた感覚をぶち壊し、どんな相手にも勝つ気で挑め! と焚きつける。「またNZ人を10人いれるか!?」という挑発気味の問いかけは、日本人選手の可能性を諦めていないことの裏返しなのだ。

 7月16からは11年ぶりの菅平夏合宿も敢行。選手たちはどんな顔で集まるのだろう。

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