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ドログバとリッピが挑む
中国という“新世界”。
~言語、食事……異文化との遭遇~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byUNIPHOTO PRESS

posted2012/07/16 08:00

ドログバとリッピが挑む中国という“新世界”。~言語、食事……異文化との遭遇~<Number Web> photograph by UNIPHOTO PRESS

バイエルンとのCL決勝の4日後、イングランド南西部で聖火ランナーを務めたドログバ。

 欧州では新シーズンを前に移籍市場の話題が盛んだが、今夏目立つのは一時代を築いたベテラン選手たちの新たな挑戦だ。

 シャルケのラウールはカタールのアル・サッドへ移籍し、ミランのガットゥーゾはスイスのシオン入りが決まった。その他にも、デル・ピエーロやネスタはアメリカ、セードルフはブラジル行きが噂されるなど、大物選手が第一線から退く節目の年となっている。

 特に波紋を呼んだのは、チェルシーでチャンピオンズリーグを制覇したばかりのディディエ・ドログバの中国スーパーリーグ、上海申花への移籍だ。

 英国内では“まだ十分にやれるのに”と、2度のプレミア得点王に輝いたストライカーに対して、中国行きを惜しむ声ばかり。しかし12億円ともいわれる高額年俸を手にするドログバは「多くのオファーを受けたが、今の僕には中国行きが最善の選択だった」としている。

 ドログバは上海で元チームメイトのアネルカとコンビを組むことになる。ベンチに座るのは元アルゼンチン代表のバティスタ監督だ。豪華な顔ぶれは中国スーパーリーグの勢いを表しているが、欧州に慣れた選手たちの中国文化への適応は簡単ではない。

言葉の問題プラス、単身赴任で外食続き。リッピが直面する困難。

 5月に広州恒大の監督に就任した元イタリア代表監督のリッピは、すでに多くの困難に直面したという。

「特に言葉は最大の問題だ。通訳はいるが、選手たちに私の意図が伝わったのかはよく分からない。ハーフタイムでなければ伝わらないことも多い。タイムアウトが欲しいものだ」

 生活面でも欧州との違いに驚くことが多いというリッピ。家族をイタリアに置いてきた彼は、ホテルでひとり暮らしの日々を送っている。外食続きの苦労を伝え聞いたか、故郷ビアレッジョの友人一同は、リッピの好物のムール貝のパスタソースとパン20kgを抱え中国まで運んだという。

 ドログバは「中国リーグでのプレーという新たな経験は楽しみ」と言うが、待ち受けるのは荒いディフェンダーだけではなく、それは異文化との戦いでもある。ドログバに続き中国に流れる選手は今後も増えるだろうが、その成功のポイントはむしろピッチ外にありそうだ。

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