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神田川に沿って“東京横断旅行”。
フォークソングの銭湯は、今も健在か? 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2010/05/14 06:00

神田川に沿って“東京横断旅行”。フォークソングの銭湯は、今も健在か?<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

 今回は、自転車で西から東へ、ひたすら神田川を下ってみようと思うのだ。

 神田川という川は、規模でいえば、ホントに短くて小さな川に過ぎないのだけれど、その知名度たるや、日本で一二を争う河川と言っても過言ではあるまい。

 東京の都心まっただ中を横断する河川だから、という意味合いもあるにはあるが、メジャー化の一番の責任は、もちろん南こうせつにある。

 昭和フォークの名曲、四畳半フォークの究極といわれた、名曲「神田川」。あのモデルとなった「三畳一間の小さな下宿」(四畳半ですらなかったのね)は、いったいどこにあるのか、ご存じであろうか。

 私はご存じである。そのあたりも含め、さあ、神田川を下ってみよう。

出発点は井の頭公園。

 全長24.6km。神田川ほど、川の始まりと終わりのはっきりしている川も珍しい。川の始まりは三鷹市にある“井の頭恩賜公園”である。あの公園の真ん中にある池こそが、神田川の源流なのだ。

 ということで、今回の自転車もBD-1。小径車のポタリング(“自転車散歩”のこと)だもの、出発点までは、でへへ、電車で行ってしまう。久しぶりに乗るなぁ、井の頭線。

 渋谷から急行で一直線だ。吉祥寺駅に降り立つと、おお、GWの中日、吉祥寺はもう駅前からして家族連れで賑わっているのである。

 気のせいか小綺麗な格好をした家族が多い。さすがはこの数年、不動の「住みたい街ナンバーワン」であり続ける街なのだ。

 駅前で自転車を組み立てて、駅を南に行く。公園まではすぐだ。新緑の頃。気温も暑すぎず寒すぎず、いわば自転車日和である。自転車日和であるということは、家族連れ日和でもあるということで、公園内もやはり家族連れだらけだ。池の周囲は路上の物売り(フリーマーケット風)が取り巻き、古着やら、手作りのアクセサリーなどを売っている。

 実はこの三鷹という街は、私が幼少期を過ごした街であって(基本的に宮崎出身だけど、親が転勤族だったんだね)、その幼少期、井の頭公園にもよくきた。だから、私にとっても非常に馴染みのある公園であり、池。でも、そこから神田川がスタートするなんて、当時は知らなかったし、御茶ノ水駅前のあの谷川(?)が、井の頭公園の池に通じているなんて考えたこともなかったよ。

「ここが神田川の源流です」

 で、神田川の「源流」、池の東側に行ってみると、水門橋という名前の小さな橋が架かっていて、小さな立て札にこう書いてある。

「ここが神田川の源流です。神田川は善福寺川、妙正寺川と合流して隅田川に注いでいます」

 その立て札の下にちろちろと流れる、文字通りの小川。これこそ神田川の源流であり、これが大きくなって、隅田川に注ぐ神田川になるわけだ。

「おや、撮ってあげましょうか?」

 私が一人で手を伸ばして写真を撮っていると、横を歩いていたおばさんが、声をかけてくれる。おお、そいつぁ、すいません、ありがとうございます、とぱちり。

【次ページ】 都会の小川にザリガニ捕りの少年。

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