今年は、惜しくも早世したチチカステナンゴの産駒に注目！

　ディープインパクト、キングカメハメハの重厚な勢力に一石を投じるとすれば、今年、初年度産駒がデビューする新種牡馬ではないか。

　日本での初産駒がデビューする今年、惜しくも早世してしまったチチカステナンゴは、フランスで少ない産駒のなかからVision d'Etat（仏ダービー、プリンスオブウェールズSなどGI4勝）などの活躍馬を輩出。今年もSaonoisが仏ダービーを制した。日本でも繋養初年度からダンスインザムード、キストゥヘヴンといったGIホースや、サンデーピクニック、プロモーションといった優れた繁殖実績の牝馬に配合されている。

　昔から「死んだ種馬の子は走る」とも言う。大駆けの可能性は低くない。

ダイワスカーレットの長女、ダイワレーヌに託されたロマン。

　そのなかでも、注目度一番はダイワレーヌ。サンデーサイレンス系種牡馬の代表格であるアグネスタキオンを父に持つ、あのダイワスカーレットの長女だ。

　母も在籍した松田国英厩舎で走る予定で、秋口には入厩の段取りが組まれるようだ。父、母、どちらの血が騒いでもクラシックディスタンスで主役を張る下地は十分過ぎるほど。

　チチカステナンゴの輸入に尽力した社台ファームの吉田照哉代表は、「我が国で栄えに栄えたサンデーサイレンスの牝馬との血統的な相性を見込んだからこそ」と語っており、この贅沢な配合の結果を誰よりも楽しみに待っている。

　ロマンの実証という意味でも、この馬の登場が待ち遠しい。