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リーガ1部に復帰したガリシアの両雄、
デポル&セルタを支えるベテランの姿。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byMarcaMedia/AFLO

posted2012/06/15 10:30

リーガ1部に復帰したガリシアの両雄、デポル&セルタを支えるベテランの姿。<Number Web> photograph by MarcaMedia/AFLO

5月27日、2部での優勝を決めてチームメイトに胴上げされるデポルのバレロン。

絶望の淵から這い上がったベテランがダービーで邂逅。

 長いリハビリ生活を乗り越え、ようやく復帰を果たしたのは昨年3月。結局このシーズンは4試合の出場にとどまったが、ミチュ、トラスオラスらを放出した今季は再び定位置を確保し、数度の負傷離脱を繰り返しながらも24試合に出場。相変わらずのシンプルかつ効果的なパス捌きでゲームを組み立てつつ、キャプテンとしてもピッチ内外でチームを支え続けた。

 ケガにキャリアを狂わされ、さらに愛するクラブの降格にも苦しんできた彼らは、それでも不屈の精神で再び表舞台に這い上がってきた。そんな2人が6年ぶりに1部の舞台で見られるダービーのピッチに立つのを想像するだけでもう、熱いものがこみ上げてくるではないか。

 数年前まで空席が目立っていた両スタジアムのスタンドも、片や降格、片や昇格まであと一歩と迫った昨季をきっかけにファンの関心を再び集めはじめている。たとえタイトル争いには加われなくとも、来季のガリシアでは全盛期を彷彿とさせる熱い雰囲気が楽しめるのではないか。

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