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プレーオフの命運を握る、
ウィザーズからの流出組。
~キャブスとマブス、分かれた明暗~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/05/12 06:00

プレーオフの命運を握る、ウィザーズからの流出組。~キャブスとマブス、分かれた明暗~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

バトラー、ヘイウッド、スティーブンソンを得たマブスだが、2勝4敗で第7シードのスパーズに敗れ1回戦で姿を消した

 NBAでは第2のシーズン、プレーオフが始まった。始まってみて、つくづく思うのだが、今年のプレーオフ戦線を左右することになるのは、プレーオフ進出の16チームではなく、プレーオフを逃したワシントン・ウィザーズではないだろうか。

 去年秋にシーズンが開幕した頃、当時ウィザーズにいたカロン・バトラー、アントワン・ジェイミソン、ブレンダン・ヘイウッドらは「今年こそはプレーオフ出場」との期待を抱いていた。ウィザーズは昨季プレーオフを逃していたが、今シーズン前の予想では多くの専門家から上位争いのダークホースだと評され、注目のチームだったのだ。しかし序盤に6連敗してつまずき、さらには12月に起きたギルバート・アリーナスの銃保持事件で一気にチーム崩壊へと向かった。

 そんな嵐の中、彼らに突然運命が開けた。それぞれ、東西の強豪チームにトレードされたのだ。ジェイミソンはクリーブランド・キャバリアーズへ。バトラーとヘイウッドは、デショーン・スティーブンソンとともにダラス・マーベリックスへ。底辺から頂点への移籍である。

「驚いた。と同時に嬉しかった」

 とスティーブンソンは振り返る。

新戦力の加入によって両チームはさらに力を増した。

 キャブスもマブスもトレード前からリーグ上位を争う実力のチームだが、ウィザーズからの戦力加入でさらに選手層が厚くなり、安定した戦いができるようになった。ジェイミソンはキャブスに欠けていた安定した得点力を補い、バトラーはマブスに欠けていたタフさを、ヘイウッドはサイズを、スティーブンソンはディフェンス力をもたらした。

 その結果、キャブスは61勝21敗でリーグ最高成績、マブスは55勝27敗で西カンファレンス2位の成績を取ってレギュラーシーズンを終えた。ウィザーズは一足早い夏休みに入ったが、キャブスにとっても、マブスにとっても、これからが本番の戦いである。

「僕はまったく、すごく運がいい」

 とヘイウッドは満面笑顔で言う。

 6月のNBAファイナルで両チームが対戦することも、決して夢物語ではない。もっとも、それが実現するためには、まだ戦うべき試合、勝つべき試合がある。

「僕らはこうやって優勝を目指して戦うために生きている」とバトラー。

「この機会をずっと待っていた」

【次ページ】 来季を見据えるバトラーと、ジェイミソンの渇望。

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