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ユーロ史上初の連覇は許さない!
打倒スペインに燃えるライバル国。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byGetty Images

posted2012/06/08 10:31

ユーロ史上初の連覇は許さない!打倒スペインに燃えるライバル国。<Number Web> photograph by Getty Images

「私たちの目標は優勝。それ以外だと、戦う理由がないのでね」と語っているドイツ代表のエジル。EURO2008では2位、南アW杯では3位なので、今大会にかける意気込みは強い。

ブンデスとプレミアの得点王を擁するオランダの破壊力。

 一方で、6大会ぶり2度目のヨーロッパ王座を狙うオランダは、ワールドカップの決勝戦でスペインをあと一歩のところまで追い詰めた実績がある。あのときは“オランダサッカー”のイメージにそぐわぬフィジカルなプレイを手段としていたが、ファンマルバイク体制となって4年、再び直接対決することになったら、もう少しオランダらしさを出していくに違いない。

 このチームの特長はなんといっても攻撃力だ。

 予選の一試合平均得点は参加51カ国中最多の3.7。中でもブンデスリーガの得点王フンテラールは出場8試合で12得点している。プレミアの得点王ファンペルシと彼のどちらをワントップに置くのか監督は頭を悩ませることになるが、いずれにせよオランダが得点に困ることはないだろう。

 彼らの周りに立つのは世界有数のサイドプレイヤーであるロッベンや、優れたゲームヴィジョンを持つスナイデル、決定力と献身的な側面を兼ね備えるカイト、天才的なひらめきをもってプレイするファンデルファールト、膝の靱帯損傷から復帰したアフェライ。さらに、中盤の底には運動量とパスのセンスが光る新星ストロートマンが控える。

 6月2日に行われた親善試合北アイルランド戦では調整目的でプレイしながら6-0で大勝した。

ドイツとオランダは“死のグループ”をどう乗り切るか。

 ただ、準々決勝、準決勝と勝ち進んだときのことを考えると、ドイツとオランダは“死のグループ”に入ってしまったことが大きなハンデになるかもしれない。

 グループステージは最初の2試合を制して勝ち抜けを決め、3試合目でサブを使ってチーム全体の士気を高めつつ、コンディションを調整するのが理想。しかし両国にそんな余裕はおそらくない。特に3試合目でポルトガルと対戦するオランダは厳しい。ドイツは若さで、オランダはベテランを揃えたチームならではの経験で、この不利をどう乗り越えるかも見所だ。

【次ページ】 フランスは“優勝候補”の枠外から玉座を狙う。

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