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【ユーロ2012 グループB展望】
オランダ、ドイツにも弱点が……。
“死のグループ”で何かが起こる? 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byVI Images via Getty Images

posted2012/06/01 10:30

【ユーロ2012 グループB展望】オランダ、ドイツにも弱点が……。“死のグループ”で何かが起こる?<Number Web> photograph by VI Images via Getty Images

左からスナイデル、ファンマルバイク監督、ファンデルファールト。5月30日に開催された親善試合のスロバキア戦は2-0で勝利したオランダだが、スナイデルは試合途中に負傷交代している。

若き司令塔のエリクセンを擁するデンマークの活路は?

 デンマークは“死のグループ”における唯一の格下と見られているが、現代表はあっけない敗退を強いられた南アフリカW杯時のチームとは違う。それを象徴する“新たな力”が、司令塔として絶対的な地位を確立した20歳の逸材エリクセンである。

 デンマーク国民はこの天才肌のMFを「ミカエル・ラウドルップの再来」と位置付け、大きな期待を寄せている。アヤックスでの活躍は既に大きな話題となっており、数々のビッグクラブが獲得に乗り出していることも事実。本人はバルセロナへの移籍願望を公言するなど、移籍市場での立ち回りも堂々たるものだ。

 チームがオランダ、ドイツ、ポルトガル相手に活路を見いだすとすれば、エリクセンの展開力を起点とするカウンターにあると言えるだろう。司令塔がロンメダールとクローン・デリの突破力を引き出し、いかに多くの決定機をベントナーに供給することができるか。その攻撃を徹底することができれば、突破口は見えてくる。

 20年前の'92年には、出場権を剥奪されたユーゴスラビアに代わって急遽出場しながら、そのまま欧州の頂点に上り詰めるという偉業を成し遂げた。そこまでの番狂わせを期待するのは難しいが、そんな歴史を持つデンマークが“死のグループ”に入ったことが、実に興味深い。

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