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マンチェスター両雄の歓喜と屈辱。
プレミアの新たな2強時代、始まる! 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2012/05/25 10:31

マンチェスター両雄の歓喜と屈辱。プレミアの新たな2強時代、始まる!<Number Web> photograph by AFLO

10万人を集めた44年ぶりの優勝パレード。マンチーニはバスの上からファンにカメラを向け、コンパニがトロフィーを掲げるたびに喝采があがった。

香川、レバンドフスキといった即戦力で若返りを図る。

 最終節でも先発した、ライアン・ギグスとポール・スコールズの両MFは、前者は1年の契約延長、今冬に引退から復活した後者も現役続行を決めているが、30代後半の両ベテランに今季を上回る来季は期待できない。33歳のリオ・ファーディナンドも、泣き所の腰に手を当てる姿が目に付いた。来季は、即戦力を獲得してマンCとの戦力差を縮めなければならない。

 しばし若返りを優先してきたファーガソンも、決意はしているようだ。DFでは、所属歴のあるジェラール・ピケ(バルセロナ)、プレミア実績豊富なレイトン・ベインズ(エバートン)、ウェイン・ルーニーの負荷軽減が必要な前線には、ロベルト・レバンドフスキ(ドルトムント)といった面々が、獲得候補に挙がっている。「過去数年のプレミアでのベストMFは(セスク・)ファブレガス」と言うファーガソンが、中盤の梃入れに欲しがっているプレーメイカーとしては、香川真司(ドルトムント)と面会済みだ。

来季のプレミアの頂点に立つのはCか、それともUか!?

 最終節の翌日、市内に10万人を集めたマンCの優勝パレードで、元マンUのテベスは、ファンから手渡されたと思しき、『ファーギーよ、安らかに眠れ』と書かれたプラカードを掲げていた。「(地元で日陰の存在に回ることなど)自分が健在である限りあり得ない」という、ファーガソン発言への返礼だ。

 マンUの御大自身はというと、「私が去るはずなどないことは、向こうも承知だろう」と、来季に向けて、まだまだ黒い目を輝かせた。もちろん、ついにリーグで陽の目を見たマンCも、今後は優勝ライバルであり続ける。二頭立てのレースが再現されるかどうかは分からないが、マンチェスターの両軍が、来季も熾烈な優勝争いを演じることだけは「間違いない」。「多分」ではなく、絶対に。

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