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“1999年→2001年”の歓喜を再現!?
バイエルンがCL初の地元優勝狙う。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2012/05/19 08:02

“1999年→2001年”の歓喜を再現!?バイエルンがCL初の地元優勝狙う。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

バルセロナではなくチェルシーが勝ちあがって来たことについて、「試合内容で言えば、バルセロナの方がチェルシーよりも強い。しかし戦術やセットプレーではチェルシーの方が上だ。決勝ではチェルシーは守備的な戦術をとるだろうから、バイエルンにとっては難しい試合になると思う」とコメントしたリベリー。

ロッベン、リベリーの攻撃が封じられたときの対抗策は?

 一方攻撃面では、ロッベンとリベリーに依存したやり方が、チェルシーの堅守に通用するかが未知数だ。2人のドリブル突破は世界トップクラスの破壊力を持つが、イタリア人のディマッテオ監督は何かしらの策を講じてくるだろう。

 2001年CL優勝時のキャプテン、エッフェンベルクはこう警告する。

「リベリーとロッベンが常に止められないと考えるのは甘い。他のシステムでもプレーできるようにするべき。そうすればバイエルンは、もっと予想できない攻撃をできるようになるはずだ」

 予想布陣としては1トップにゴメス、2列目に左からリベリー、ミュラー、ロッベンと並ぶことが濃厚だが、試合展開によってはリベリーをトップ下に置き、左に馬力のあるオリッチを投入するのも手だろう。もちろん宇佐美貴史もベンチ入りすれば、途中出場のカードの一枚になる。

「1シーズンに3回も2位になるのはありえない」

 今季、すでにバイエルンはブンデスリーガとドイツ杯で準優勝に終わっている。クロースが「1シーズンに3回も2位になるのはありえない」と言うように、CL決勝は絶対に敗れるわけにはいかない。

 バイエルンのサポーターの間では、地元の方言で「Mia san mia」(オレたちはオレたち)という言葉がスローガンのようになっている。それはブンデスリーガの最多優勝を誇る王者としての自負であり、欧州のトップに立ち続ける誇りでもある。しかし、バイエルンは2001年以来、CL優勝から遠ざかってしまっている。その伝統を維持するには、そろそろ欧州のタイトルが必要だ。

 5月19日、バイエルンの底力が試される。

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トニ・クロース
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