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国内組の「3-4-3合宿」で見えた、
ザックが目指す日本代表の理想型。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2012/04/28 08:02

国内組の「3-4-3合宿」で見えた、ザックが目指す日本代表の理想型。<Number Web> photograph by AFLO

6月からはじまるW杯最終予選の3連戦(6月3日vs.オマーン、6月8日vs.ヨルダン、6月12日vs.オーストラリア)に向け、新戦力の発掘に余念がないザッケローニ監督。

「一番良かった点は、選手の姿勢だと感じている。これは3日間通して言えることだが、彼らは私が指示したことを精いっぱいやろうとしてくれた。日本代表に誇りを持ち、高いモチベーションを持続してやってくれたことは素晴らしいことだ」

 千葉県内のグラウンドで4月23日から3日間にわたって行なわれた日本代表候補合宿。明治大との練習試合で締めくくると、アルベルト・ザッケローニ監督はいつもの落ち着いた口ぶりでこう総括した。

 今回、国内組の強化合宿には従来のメンバーに加えてU-23五輪代表や新戦力が集められた。合宿のテーマに置かれたのがセカンドチョイスのシステムとして指揮官が確立を目指す「3-4-3」の習得。3日間すべての時間がそこに費やされたと言っていい。

「3-4-3」の難しさとシステム上の不備が浮き彫りに。

「マークして(相手が)後ろを向いたら、一気に挟み込め!」

「(3トップの)ウイングはもっとワイドに張れ。相手の(最終ラインの)間を広げるんだ!」

 合宿初日はウォーミングアップを省いていきなり3-4-3フォーメーションを組んで動き方のおさらいから始めるなど、指揮官の意欲は見ているほうにも十分に伝わってきた。しかし馴染みのないシステムだけにいまだ選手には困惑の色も見られ、最終日に組み込まれた練習試合でも多くの課題が見つかった。

 結果的には大学生相手に5-1というスコアだったとはいえ、ザックジャパンの中心である遠藤保仁でさえも「極力早く習得したいけど、まだ時間はかかると思う。幼稚園児に箸を持たせているようなもの」と時間が必要であることを強調している。

 3-4-3は昨年11月、アウェーでの北朝鮮戦(後半途中から)以降、実戦では用いられていない。今回は久々ということ、それに新顔が多かったこともなかなか機能しなかった理由にはあるだろうが、この日の練習試合ではシステム上の難しさも浮き彫りになった。

 大まかに言えば、ザッケローニの敷く3-4-3は両サイドに3人ずつ配備してサイドで数的優位をつくってそこを起点にチャンスをつくっていこうという考えが根底にある。だが裏を返せば中央で数的不利を生む危険性が出てくる。この日も中央で数的不利になって突破されるシーンが目立ち、そこから失点も生まれている。

【次ページ】 中央の数的不利というリスクをいかにして解消すべきか。

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