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37歳の高橋尚成が見せる、
メジャー3年目のゆとり。
~最大のライバルはダルビッシュ?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2012/04/07 08:00

37歳の高橋尚成が見せる、メジャー3年目のゆとり。~最大のライバルはダルビッシュ?~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

昨季はチームで2番目に多い61試合に登板。貴重な中継ぎとしてシーズン通して活躍した。

「やろうとしていることが、ちょっとずつ身になってきましたね」

 試合後のエンゼルス高橋尚成は、笑みを浮かべながら自らの投球を振り返った。3月8日のオープン戦初戦は、2回無安打無失点。柔らかい表情の理由は、単に好結果を残せたというだけではない。メジャー3年目。心身ともに充実している感触が、日焼けした顔に滲んだ。

 メッツとのマイナー契約からスタートした2010年、そしてエンゼルスへ移籍した昨季とは異なる状況でキャンプを迎えた。過去2年はいずれも新天地とあって、首脳陣へアピールするうえでもオープン戦で結果を求められた。捕手陣に自らの投球スタイルを理解してもらう必要にも迫られた。

 だが、今季は違う。救援陣の一角としての立場を確立したこともあり、調整法はマイペース。今オープン戦では、試合ごとにテーマを設定し、独自の調整を進めようとしている。実際、初戦は宝刀シンカーを封印して、配球を組み立てた。

「あれを使うと、どうしても楽をしてしまう。自分で工夫して投げられたのは収穫です」

ダルビッシュ擁するレンジャーズが優勝争いで最大のライバルに。

 自主トレでは、新球種ムービングファストボールの習得に取り組んだ。カッターやツーシームほど曲がらず、打者の手元でボール半個分ほど変化する速球で、実戦で使えるメドも立ってきた。

 過去2年のキャンプ中は、新球種を試す余裕などなく、目の前の登板機会に集中することに必死だった。それが、今年はキャンプ地に家族を同伴し、腰を落ち着けて開幕へ目を向けていた。

「少し余裕もありますし、チーム内での立ち位置も分かっています。いい意味での遊び心を持って、いろんなことに取り組んでいきたいです」

 大砲プホルス、左腕ウィルソンを獲得し、投打に充実したエンゼルスにとって、ダルビッシュを擁するレンジャーズが優勝争いで最大のライバルとなる。

「当面の敵はレンジャーズ。去年はやられましたから。チームにも自分にも期待して、ワールドチャンピオンという大きな目標を頭のど真ん中に置いてやっていきます」

 そこまで静かな口調だった37歳のベテラン左腕は、ペナント争いの話題になった途端、語気を強めた。

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テキサス・レンジャーズ

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