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ビラスボアスの思惑を阻んだ
“壁”の正体。
~チェルシーの構造的な問題とは?~ 

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byAFLO

posted2012/03/26 06:01

ビラスボアスの思惑を阻んだ“壁”の正体。~チェルシーの構造的な問題とは?~<Number Web> photograph by AFLO

解任前日、敗戦に力なく俯いた。この後の展開を覚悟していたのか。

チェルシーを救えるのは、ウルトラCの人事ではない!?

 チェルシーを一夜にして強豪に変えたのはロシアのオイルマネー。モウリーニョの功績は大きいとはいえ、買収がなければシンデレラストーリー自体、成立しえなかった。

 だがワンマン体制は諸刃の剣でもある。現に補強の方針を巡ってモウリーニョと喧嘩別れした後、アブラモビッチは高名な監督を短期間で更迭することを繰り返してきた。

 しかもチームには、いまだに「モウリーニョ・チルドレン」が居座っている。彼らがいかにアンタッチャブルな存在かは、ビラスボアスに対する、微妙に「上から目線」なコメントからもうかがえる。

「僕たちは皆、彼の幸運を祈っている。彼は将来有望だし、まだ若いのだから、これがいい経験になる可能性もある」(テリー)

「自分たち選手がもっと良いプレーをしていれば、この事態は避けられたかもしれない……でも、これが人生ってものさ」(ドログバ)

 現在、後任候補にはベニテス、デシャン、グアルディオラ、そしてモウリーニョ等の名前が挙がっている。

 しかしチェルシーを救えるのは、ウルトラCの人事ではない。アブラモビッチが十分な予算と裁量権、時間を与えることだけである。

 青い鳥はどこにもいない。青い集団の主(あるじ)は、この事実にそろそろ気がつくべきではないか。

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