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全日本を次々と襲った、
ドラマチックな“春の嵐”。
~武藤の長期欠場と浜亮太の快挙~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph bySPORTS NIPPON

posted2010/04/20 06:00

シャイニング・ウィザードなど、ヒザへの負担の大きい必殺技が、武藤の足を蝕んでいた

シャイニング・ウィザードなど、ヒザへの負担の大きい必殺技が、武藤の足を蝕んでいた

 全日本が連日、ドラマチックな“春の嵐”に見舞われている。

 まずは肝心の大黒柱・武藤敬司が3月9日、都内の事務所で緊急会見。古傷の右ヒザが悪化し、医師に「変形性ヒザ関節症」と診断され、手術のために長期欠場すると発表したのだ。

 社長兼エースのダウンは、営業・戦力の両面で大きな痛手。関係者には当然、ショックが広がった。会見に詰めかけた担当記者たちも「海外遠征の発表かな」ぐらいに思っていただけに、「本当かよ!」と一様に驚きの声を上げていた。

武藤に重なる、亡き三沢光晴の姿。

 武藤は新日本時代、右ヒザの治療で3度手術を行なっている。鎮痛剤の量も増え、日常生活にも支障をきたすようになっていた。

「今年に入ってから痛みがひどくなった。今回は引退しないための手術。現役にこだわりがあるから、手術で治そうとしているんですよ」と苦渋の決断を語る。

 この武藤の姿に重なるのは、同じ社長兼エースとして頑張っていた故・三沢光晴さんのヒザ痛だ。「立場が立場だから、メスを入れるといっても、そう簡単にはね……」と眉間に皺を寄せてポツリ。迷い、悩む、あの三沢の苦い顔が忘れられない。武藤が再起不能になる前に手術に踏み切ったことは大賛成だ。その勇気と決断に敬意を表したい。手術は無事成功したとのこと、一日も早い復帰を願う。

西村修はプロレスを休業して、赤絨毯を目指す。

 その武藤欠場の3・21両国国技館で、プロレス界きっての能弁家・西村修が「今日でしばらくリングから遠ざかる。叶えたい夢がある」と突然の“休業宣言”。8200人の観衆も一瞬、ポカーンである。

 事の真相は、今年の参院選に出馬するため。国民新党の公認候補として比例区から国会の赤絨毯に挑むことになった。両国大会の翌22日、西村とともに記者会見に臨んだ武藤社長は「最初、話を聞いたときは、何をトチ狂ったのかと思いましたが、決まった以上、全日本として全身全霊で応援します」と語った。

 そして再び両国のリング上。日本人最重量選手、203kgの浜亮太が小島聡をなんとシャイニング・ウィザードで破り、3冠ヘビー級王座を獲得した。元幕下6枚目の力士が一気に“横綱”昇進である。デビュー1年4カ月、史上最速獲得記録を更新。これこそ、“春の嵐”を象徴する出来事だった。浜ちゃん、頑張って!!

■関連コラム► “動けるデブ”で大人気、浜亮太に膨らむ期待。 (09/12/01)

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